個人向け国債発行 6兆円に増額
当初計画の3倍
~日経新聞 2004/07/07 1 面から
財務省は6日、個人投資家向けに今年度に販売する国債を、当初計画の
ほぼ3倍の6兆円程度に増やす検討に入った。長期金利が上昇し、運用面で
有利とみる個人の購入意欲が強いと判断した。金融機関に偏った国債の
買い手を広げ、大量発行が続く国債の安定消化につなげるのが狙いだ。
●● テレビCMなどの効果でしょうか、個人向け国債が好調のようです。
直近に発売された第7回債の適用利率は0.74%。
確かに現在の銀行定期などと比較すれば、十分価値のある数字だと
いえます。
しかも、銀行の定期の場合、定期で預けている期間中は利率は
据え置きですが、この個人向けの10年国債の場合、利率が変動
します。
この利率は、国債の基準金利にあわせて変動しますので、基準利率
が上昇すれば、その分、個人向け国債の利率も上昇する仕組みです。
しかし、逆に基準利率が下落した場合も、同様に下落する仕組み
なので、将来的に、金利が下落すると予測される場合には、不利な
商品であるといえます。
ただ、現時点では、将来的に金利が上昇していく局面だと考えて
いる方が多いようです。
実際、平成15年3月10日に発行された個人向け国債第1回債は、
当初金利が0.09%でしたが、次の期(6ヵ月)は0.23%、その次の
期は0.51%と順調に推移しています。
現在のままの金利水準が保たれれば、次の期には、金利が現行
水準の0.74%程度になると推測できます。
また、いくら基準金利が下がっても、0.05%の最低金利は保証
されるという制度も備えています。
現在、銀行のスーパー定期に2年間、300万以上預けた金利の平均
が0.046%となっています。
最低金利で推移しても大きな損は無いといえるかもしれません。
しかし、日経1面で記事が取り上げられ、興味を持つ方が急増すること
が予測されるのですが、直近の個人向け国債の募集は先週終わった
ばかりです。
次回の募集は3ヶ月先のこと。
なんとももったいないプレスリリースだといえます。
《関連Webサイト》 個人向け国債