デジタル放送、複製10回 制限緩和で合意




デジタル放送、複製10回 制限緩和で合意

   

      ~日経新聞 2007/07/13 1 面から



総務省は12日、デジタル放送番組の録画・複製を1回限りとし、その後の
コピーを禁じた「コピーワンス」の緩和を巡る検討会を開き、10回まで
複製回数を増やすことで合意した。総務省は家電メーカーや放送業界に
対応を働きかけていく考え。早ければ来年以降販売されるDVDレコーダー
はいまより大幅に複製が可能になる見通しだ。


●● 10回という数字の根拠は3人家族で、1人3回複製する場合を想定
   した数値だと言うことです。


   元々、この「コピーワンス」は、デジタルコピーは劣化がない
   から複製を制限するというところから始まっています。

   一方、アナログはコピーをすると劣化をするから複製は自由と
   いう考え方です。


   そのため、デジタル放送を録画したデータでコピーワンスの制限が
   あっても、映像をアナログ出力してコピーする場合、現在でも
   コピー回数は無制限です。
   デジタルデータからデジタルデータへのコピーのみ、1回に制限
   されているのです。


   ただ、現状、デジタル放送をHDDからDVDにデジタルコピーしても、
   データは劣化します。

   現在、デジタル方法で利用されている映像は、1080iという解像度で
   放送されています。

   これは、縦方向に、1080本の走査線が走るという意味です。


   一方、DVDに録画できる解像度は480p。

   480本の走査線しか表現できません。

   この結果、HDDからDVDにコピーするだけで、データが大幅に劣化
   します。
   解像度で単純に比較すると、データ量が1/6になってしまいます。

   コピーワンスの制限があると、HDDからDVDにコピーしたときに、
   HDDのデータは消されてしまいますので、劣化したデータしか残ら
   ないということになるのです。

   ブルーレイなどの次世代DVDは、1080pという解像度に対応しています
   ので、無劣化でのコピーが可能ですが、現在のコピーワンスは、
   現状のDVDについても適用されています。
   「デジタルコピーは劣化がないから制限」というもともとの根拠が
   成り立たないというのが現状なのです。


   今回、コピーワンスの制限緩和が決まりましたが、これまで販売
   された製品については、従来通りの制限が適用されるようです。
   また、メーカーが新しい制限に対応した製品を発売するのは、来年
   以降になるようです。


   メーカーにとっては、次世代DVDを販促したい時期に、大きな規制
   変更が飛び込んでしまったといえそうです。

   また、コピーワンスの制限が気になる方は、じばらく様子を見た方が
   よさそうですね。


《関連Webサイト》総務省 地上デジタルテレビ放送のご案内
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/digital-broad/