ロシア航空機2機が相次ぎ墜落か・テロの可能性も
~NIKKEI NET 2004/08/25 から
ロシアで24日夜(現地時間)、モスクワを飛び立った民間航空機2機が
ほぼ同時に消息を絶ち、1機が墜落したのが確認された。乗員乗客
合わせて約90人の安否は不明。日本人乗客の有無は確認中。事故現場の
目撃者によると墜落した機体は直前に爆発しており、テロの可能性もある。
プーチン大統領は25日未明、ロシア連邦保安局に徹底的な調査を命じ、
ロシア全土の空港では厳戒態勢に入った。
●● 平和の祭典であるオリンピック会期中に、恐ろしい事件が発生して
しまいました。
この事件は、先ほど報道されはじめたものであり、今朝の日経に
記事はありません。
NIKKEI NETに掲載されています。 http://www.nikkei.co.jp/
報道よれば、2機同じ空港から離陸したうえ、ほぼ同時に遭難して
おり、同時テロ事件の可能性が否定できないということです。
両機に日本人はいない模様。
また、現時点で、犯行声明などは表明されていません。
ロシア近辺の政治情勢の中で、現在最も危惧される問題として、
チェチェン闘争があります。
これは、ロシア南部チェチェン共和国の独立を目指すチェチェン
独立派と、チェチェン共和国の制圧を目指しているロシア政権の
間の確執です。
今年の5月には、チェチェン独立派の爆弾テロにより、親ロシア派
であったカディロフ・チェチェン大統領が暗殺されました。
親ロシア派のカディロフ大統領を通じ、チェチェン独立紛争の収拾を
進めていたプーチン大統領にとって、この事件は、大きな打撃となり
ました。
それと同時に、大統領暗殺という大事件を防ぐことができなかった
プーチン政権の無力ぶりを世界に示す結果になってしまったとも
いえます。
プーチン大統領は事件後、「テロリストは必ず報復を受ける」と
述べ、独立派の取り締まりを強化する姿勢を示していましたが、
今回の事件がチェチェン独立派が起したテロであった場合、
プーチン政権の弱体化がさらにクローズアップされる可能性が
高いといえるでしょう。
チェチェン共和国では、今月29日に前大統領暗殺にともなう、
次期大統領選挙が行われる予定です。
大統領選実施に反発するチェチェン独立派は先日、チェチェン
共和国の首都グロズヌイを襲撃し、「独立を認めロシア軍が撤退
すれば協力する。そうでなければ武力闘争を活発化させる」と闘争
の続行を表明しています。
今回、テロがロシア国内に持ち込まれたとすると、ロシアの治安は
危機的な状態にあるといえます。
プーチン政権の存続にも大きな影響を与えかねません。
当分の間、ロシア渡航は控えた方がよいといえそうです。
《関連Webサイト》 外務省:ロシア連邦ページ