リース税制、減価償却扱いを検討
~日経新聞 2006/07/19 1 面から
政府はリース取引の税制を抜本的に見直す検討に入る。企業がリース形式で
機械設備を調達した場合でも、実質的に購入したとみなして減価償却制度を
適用する案が有力。会計制度ではリース契約を賃貸ではなく売買とみなして
処理する案が出ており、税制もこの案に沿って見直す。国際的な会計基準に
あわせるのが狙い。税制の取り扱いが固まれば、新たなリース会計の導入に
向けた議論が本格的に進みそうだ。
●● 大きな税制改革のニュースが飛び込んできました。
日本の税制では、これまで、リース契約の場合、リース料を損金
としてそのまま処理できました。
そのため、高額な設備投資や車両の導入などの場合、リース取引
が増えてきていました。
通常、車両を購入した場合、会社は現金で車両費用全額を支払い
ます。
ただし、減価償却のため、車両は耐用年数が6年と見なされ、購入
した年に費用として計上できる金額は、購入金額のおよそ1/6と
なります。
例えば、車両が300万円だった場合、会社側から見ると、現金は
300万円減っているにもかかわらず、その年に費用として処理できる
金額はおよそ50万円となってしまいます。
その差額分については、損金処理できないため課税され、資金繰り
も苦しくなってしまう結果になっていました。
一方、リース契約にて車両を購入した場合、リース費用は全額損金
処理できます。
そのため、会社が支払った費用と課税対象になる費用が同一となり、
資金繰りが楽になるという現実がありました。
そのため、多くのリース会社が車両のリース契約を企業に勧め、
日本では、リース契約による車両や設備の導入が増えています。
しかし、国際的には、リース取引を賃貸契約ではなく売買契約と
みなすのが主流だということです。
そのため、政府は、リース取引の減価償却扱いの検討を開始しま
した。
今朝のニュースを受け、株式市場では、リース各社の株が一斉に
売却されています。
http://tinyurl.com/l4624
リース会社にとっては寝耳に水のことでしょう。
ただし考え方によっては、リース費用が減価償却費用を下回る場合、
リース取引の方が一時的に資金繰りが楽になるといえます。
また、中小企業や300万円以下の少額取引は対象外になるということ
です。
国際的な会計基準に準拠するための施策となりますが、業界の反発は
必至といえるでしょう。
《関連Webサイト》 住商リース株式会社
http://www.scl.co.jp/