安倍首相 突然の辞任表明 「国民の信頼得られず」
~日経新聞 2007/09/13 1 面から
安倍晋三首相は12日、首相官邸で記者会見し辞意を表明した。政策実行力の
不足を理由に挙げたが、与謝野馨官房長官は健康問題が一因との見方を示
した。首相は後継総裁が決まり次第、内閣総辞職する。自民党は党総裁選を
14日告示―19日投開票の日程で調整。麻生太郎幹事長が出馬の意向を固めた
ほか、谷垣禎一元財務相や福田康夫元官房長官らの名前が挙がっている。
●● 9.12 日本列島に激震が走りました。
所信表明を終え、国会での代表質問を目前に控えた安倍首相の辞任
表明です。
表明後、テレビ放送はすべてこのニュースを伝え、今朝の新聞も
安倍辞任一色になっています。
安倍首相は、本日、慶応大学病院で検査を受けた結果、消化器系の
機能異常により、そのまま数日間入院ということになるようです。
次期総裁選の日程も現時点では決まっておらず、残念ながら、
政治的空白は避けられそうにありません。
マスコミなどで、「無責任な政権放棄」といわれていますが、
安倍首相にとっては、そのような意図はなかったように感じます。
参院選大敗後、辞任しない首相の政権運営がどのようなものに
なるのか。
この予測が大きく外れてしまったのではないでしょうか。
いってみれば、想像力の不足です。
総選挙でこれほど大敗した首相が引責辞任をしなかったケースが
これまでありませんでしたので、想像することができなかったと
いえるのかもしれません。
ご自身の体調は、おそらくご本人がもっともよく承知していたこと
だと思います。
それでもなお、選挙に大敗しても政権運営が可能であるとご判断
されたものと思われますが、ここにきて、それがきわめて難しい
ことであると認識されることになったように思います。
今回の事態が、一般的な想像力を大きく凌駕するものであれば、
それは致し方ないものといえるのかもしれません。
ただ、政治家にとって、このレベルの事態が十分想像できる範囲
内であったというのであれば、それは、安倍首相の資質・経験不足
といわれても仕方がないでしょう。
最終的に、本当のところはご本人にしかわからないといえます。
また、このような辞め方が非難され、今後の政治生命にも大きな影響
があるということは、安倍首相当人が最もわかっていたのではないで
しょうか。
それでも辞任を表明したことは、おそらく、この国の将来にとって、
最もこれがよい方法であると判断されたからだと思います。
遅くとも今月中には次期首相が決まると思います。
非常に厳しい局面といえますが、事態を解決へと導いてくれるリーダー
の登場を期待します。
《関連Webサイト》首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/