私の履歴書 野村克也氏 カーブ克服
~日経新聞 2005/06/10 最終面から
新・敵は我に在り―生涯現役宣言 野村
克也 (著)
●● 現在、日経最終面の「私の履歴書」に掲載されているシダックス監督
の野村克也氏の連載が、非常に面白いです。
野村氏は、ご自身のことを
「王、長嶋がヒマワリなら、ワシはひっそりと日本海に咲く月見草や」
と語られていました。
確かにその生涯成績は、長いプロ野球の歴史の中でも1・2位を誇る
内容ですが、現役時代の著名度と華やかさは、王・長嶋とはかけ離れて
低いものだったといえます。
野村氏の生涯成績と、その成績の歴代順位を一部ご紹介します。
実働
26年 歴代1位
通算試合 3017試合 歴代1位
通算打率 .277
通算安打 2901本 歴代2位
通算本塁打 657本 歴代2位
通算打点 1988打点 歴代2位
通算犠飛 113本 歴代1位
通算四球 1252個 歴代5位
サヨナラホームラン11本歴代1位
三冠王 1回
首位打者 1回
本塁打王 9回
打点王 7回
MVP 5回
ベストナイン 19回
オールスターゲーム選出 21回
しかも、1970年から8年間は、監督も兼任し、捕手で4番で監督という
立場で、1973年にはリーグ優勝も遂げています。
間違いなく、並の野球人ではありません。
しかし、野村氏の背番号「19」は永久欠番とはなっていません。
王、長嶋の背番は永久欠番となっていますし、野村氏の成績から見て、
永久欠番にすることは問題ないことといえますが、所属していた南海を
解任という形で去ったことが、永久欠番とならなかった大きな原因
といえるでしょう。
これらのことも、今後、この連載の中で語られることと思います。
この連載が面白い点は、プロ中のプロともいえる野村氏が、現役中、
必死に努力された様子が、赤裸々に語られている点です。
入団1年目に戦力外通告を受けるも、泣きながら懇願して残留した
くだりや、元々肩が弱かったにもかかわらず、日々の遠投により
克服した話。
また、本日の、カーブを打てるようになる課程など、およそ稀代の
大打者らしからぬ告白が多く語られています。
野村氏は、自身が才能に恵まれた天才ではなく、努力によって
成功したことが如実に語られている今回の連載は、多くの人に
共感をもって受け止められるものであると思います。
時間がありましたら、ぜひ、ご一読をおすすめいたします。
《関連Webサイト》
シダックス野球部
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