グッドウィル コムスン全事業譲渡
~日経新聞 2007/06/07 1 面から
グッドウィル・グループは6日夜、2011年12月まで介護事業所の新規指定や
更新が打ち切られることになったコムスンの全事業について、グループ
企業である日本シルバーサービス(東京・目黒)に7月31日付で譲渡すると
公表した。介護サービスの継続と従業員の雇用維持が狙いとしている。
●● 昨日、コムスンの介護報酬不正請求問題に対して、今後全事業所
の指定を不許可にするという処分が報道されました。
業界1位の企業にたいする厳しい処分に、大きな衝撃が走りました。
コムスンを擁するグッドウィル・グループの株式はストップ安まで
売られるなど、市場にも大きな影響を与えました。
しかし、同日夜、グッドウィル・グループは、コムスンをグループ
会社に事業譲渡するという奇策を発表。
グッドウィル・グループホームページでは、特に謝罪などもなく、
事業譲渡を決めたことのみがリリースされています。
http://www.goodwill.com/
コムスンホームページでは、さすがに謝罪文が掲載されておりますが、
扱いは極めて小さいといえます。
http://www.comsn.co.jp/
グッドウィルグループの代表である折口雅博会長は、日本を代表する
起業家です。
経済産業省の後援を受けた起業家支援サイトであるDREAM GATEでも、
折口氏のインタビュー記事を大々的に掲載しています。
http://www.dreamgate.gr.jp/feature/inteview/bestlife/02/
また、天皇陛下から紺綬褒章を授与されたりもしています。
http://www.comsn.co.jp/comsnpress/new/2005/07/26/
今回の不正請求が、経営陣が指示したものであるのかどうか。
また、事業譲渡は、処分逃れであるのかどうか。
不明な点を残したまま、うやむやにされてしまうのでしょうか。
今朝の日経では、楽天とTBSの法廷闘争の記事も掲載されています。
日本を代表する若手起業家が、事業拡大へ走るあまり、少し、強引な
手法に走っているような気がします。
ただ、もしかしたら、株式市場自体が、そのような構造的な問題を
抱えているのかもしれません。
後に続く多くの日本の起業家のためにも、カリスマ的存在であって
欲しいと願うのは、私だけではないはずです。
いずれにしても、1日あたり全国に10万人いる介護支援利用者に大きな
影響がなかったことは不幸中の幸いといえそうです。
失墜しかかっている信頼を回復して、再度事業を立て直す手腕を
期待したいものです。
《関連Webサイト》日本シルバーサービス株式会社
http://www.outouen.co.jp/