米グーグル株上場、ナスダック初値は100ドル
~日経新聞 2004/08/20 7 面から
インターネット検索の最大手グーグル(米カリフォルニア州)が19日、
ナスダック市場に株式を新規公開した。
初値は85ドルの売り出し価格を17%強上回る100ドル1セントだった。
●● 今世紀最大のIPOなどと、世界的に話題になったグーグルの上場
ですが、残念ながら、予想をはるかに下回る低調なスタートと
なりました。
今朝の日経での記事は、上記の3行だけ。
新聞の一般紙では、記事さえないようです。
今回、世界的な注目を集めたわりに、売り出し価格なども当初の
計画よりかなり安く終わる結果となりました。
これには、公募時の処理の遅れや米証券取引委員会(SEC)による
上場の最終承認の遅れによる、度重なる上場の延期や、上場直前に
発表されたヤフーとの和解・グーグルが採用したネット入札の不人気
などが影響しているようです。
グーグルは当初、IPOによる株式の公募価格を、1株あたり
108-135ドルと設定していました。
売り出し株数も2500万株。
最大で33億ドル(およそ3,600億円)という、ネット業界では、
過去最高という、巨額の資金を調達する予定でした。
しかし、SECの最終承認に遅れがでた8/19には、公募価格を一気に
85-95ドルに引き下げます。
同時に、IPO時に売り出す株式数も約2500万株から約2000万株に
変更。
最終的に、公募価格も、設定した価格帯の下限となる85ドルとなり、
調達金額は、17億ドル(およそ1,800億円)と当初の予定の半分程度
となってしまいました。
公募価格が大きく下げた要因のひとつとして、グーグルが採用した
ネット入札方式が、多くの機関投資家にとって、使いづらいもので
あったということが挙げられています。
グーグルは、自社で投資家向けのは専用ホームページを立ち上げます。
http://www.ipo.google.com/ IPO参加希望者は、全員このサイトにて、
IDを取得し、そのうえで証券会社を通じて応札する必要がありました。
通常必要ない手間が増えたといえます。
このことが、大きな話題となっていたグーグルのIPOに参加した人々
の熱を、一様に冷ます結果となったようです。
しかも、この専用サイトの処理の遅れで、上場が延期される事態に
なると、さらに公募は低調になり、公募価格の引き下げと売り出し
株数の削減にまで発展してしまいました。
人気・実績共に兼ね備えたグーグルでしたが、IPOの方法を誤った
ことにより、16億ドルという資金を調達しそこなったといえます。
ちなみに、上場前、グーグルの共同創業者であるラリー・ページ氏と
セルゲイ・ブリン氏はそれぞれ3800万株を所有していました。
1株100ドル換算で、それぞれがおよそ38億ドル(およそ4100億円)
の資産を保有している計算になります。
また新しいアメリカンドリームが現実のものとなったことだけは、
間違いないようです。
《関連Webサイト》 グーグル