ソニー営業赤字152億円
松下は増益確保
~日経新聞 2005/07/29 1 面から
大手電機10社の4―6月期の連結業績が28日出そろった。ソニーやNEC、
東芝など6社が最終赤字になった。アテネ五輪のデジタル家電特需に沸いた
前年の反動で厳しい環境のなか、価格下落が響いた。営業赤字が152億円に
達したソニーは通期の業績予想を大幅に引き下げた。一方、プラズマ
テレビが好調な松下電器産業などは増益を確保した。
ザ・メッセージ
ソニー 井深大(DVD)
https://www.iw-jp.com/am.php?id=4822229475
●● ソニーが試練の時を迎えています。
増益を確保した松下と、業績予想を大幅に引き下げたソニー。
今年の4-6月四半期の業績で、明暗を分けることになった両社。
両社を消費者の視点から見ると、現在、最も異なる点は、各種
メディア規格への執着度だといえます。
ソニーは、消費者のニーズに関係なく、各種メディアにおいて
自社規格に固執します。
メモリーカードならメモリースティック。
記録用DVDならDVD+RW。
テレビにはトリニトロン。
携帯型ゲーム機にはUMD【Universal
Media
Disc】。
そして、次世代DVDは、ブルーレイディスク。
携帯電話、パソコン、デジカメなどの商品全てにメモリースティック
を搭載し、メモリーカードの主流がSDカードになってくると、
互換性の低さから、全ての商品が共倒れになりつつあります。
また、ソニーのパソコン「バイオ」は、OSがWindowsのため、なんとか
互換性は保たれていますが、独自のカスタマイズを強調した結果、
各種周辺機器との相性が悪くなってしまい、バイオはビジネス用には
適さないというレッテルが貼られてしまいました。
ここへきて、ようやくパソコンはSDカード、DVD録画機はDVD-Rに
対応した機種を発売しはじめていますが、記事のように業績の悪化は
止っていません。
一方、松下は各種メディア規格には極めて柔軟に対応します。
メモリーカードはSDカード。
記録用DVDはDVD-RAM。
結果的に、松下には、トップシェアのメディア規格を採用した商品が
並んでいます。
また、デジタルテレビでは、プラズマ・液晶両者のラインアップを整えて
います。
消費者の利便性を訴求できる松下と、自社規格の優位性を強制する
ソニー。
両社の明暗の差は、このような次元にある気がしてなりません。
《関連Webサイト》 ソニー
http://www.sony.co.jp/