日本、独自路線で苦闘――「着うた」

日本、独自路線で苦闘――「着うた」

   アジア展開未知数

      ~日経新聞 2004/07/27 15 面から

「インターネットで音楽をパソコンなどに配信する欧米のサービスと違い、
『着うた』なら違法コピーやCDの販売減という難題を抱えずに済む」。
日本の音楽業界がこう期待する着うたは、携帯電話に着信音として楽曲の
一部を配信するサービス。携帯にしか配信しないため、違法な複製の心配が
少ない。配信するのは楽曲のサビ部分だけで、CDの需要を食うどころか
逆に販促にも活用できる。ネット配信で欧米に遅れる日本ならではの独特の
事業モデルだ。

●● 「着うた」サービスを開始したKDDIの「au」は、一気にドコモから
   シェアを奪い始めます。

   携帯電話の新規契約数から解約数を差し引いた月間純増数調査に
   おいて、昨年の後半からKDDIがドコモを抜いて、1位になりました。
   この逆転劇には、auが始めた「着うた」の人気が、大きく寄与して
   います。

   auに首位を奪われたドコモは、「着うた+着モーション」として、
   楽曲だけでなく、携帯で見える動画の配信も開始します。
   更には、auだけが実施していたサービスであるパケット定額制まで
   もを導入し、auを猛追。

   今月、6月には、月間純増数調査において、遂に首位をauから奪還
   します。

   結果から見ると、やはり、ドコモは巨人でした。
   本気を出すと、他社はなかなか太刀打ちできないといえます。

   ところで、ドコモにおいても、携帯電話に歌声付の楽曲を配信する
   サービスを「着うた」としています。

   宣伝などのイメージから、「着うた」=auという印象が強いですが、
   実際には、この「着うた」は、株式会社ソニー・ミュージック
   エンタテインメントの登録商標です。

   そのため、どの携帯電話会社がこの「着うた」という名称を使っても
   問題はないわけです。

   この「着うた」は、auが2002年の年末にサービスを開始してから、
   およそ1年半で、1億ダウンロードを突破しました。
   「着うた」対応の携帯電話台数が、およそ1,000万台ですので、
   平均すると、1台あたり10曲程度の「着うた」を購入している
   計算になります。

   「着うた」の価格は、100円前後となっており、いわゆる「着メロ」
   の20円前後より、かなり高額といえますが、消費者は喜んでお金を
   払っているといえそうです。

   ちなみに、「着メロ」は、当初、株式会社アステル東京の商標登録
   でした。
   もともと、PHS用に開発されたサービスでした。

   アステル東京の買収などに伴い、現在「着メロ」は、株式会社鷹山
   と株式会社双葉社の商標登録となっています。

   着メロ・着うたに比べ、NTTドコモの商標登録である「着モーション」
   が、どうしてもピンとこない名称のように感じます。

   なにかいいものがでてこないのでしょうか。

【関連Webサイト】 ソニー・ミュージックエンタテインメント