米マイクロソフト、主要ソフト技術情報を原則無償で公開
~日経新聞 2008/02/22 面から
米マイクロソフト(MS)は21日、パソコン用基本ソフト(OS)など
主要製品の技術情報を原則として無償公開すると発表した。これにより
他社は互換性のあるソフトを自由に開発できるようになる。MSは自社
ソフトを知的財産として囲い込み、競争力の源泉としてきたが、世界の
規制当局による競争政策の促進などを受け、1975年の創業以来の経営
戦略を転換する。
●● IT業界の巨人、マイクロソフトが急速に大きな方向転換を進めて
います。
今回、技術情報の無償公開に踏み切ったのは、昨年10月欧州連合
の独禁法違反のため、欧州委員会から受けた是正命令への対応と
いえます。
ただ、この時期、突然この無償公開を表明したのには、理由が
ありそうです。
それは、もちろん、ヤフー買収の件でしょう。
ヤフー買収により、マイクロソフトは、自社製の検索エンジン
MSNとあわせて、検索エンジンでもシェアを伸ばすことになり
ます。
これは、もちろん、欧州委員会も監視をしていることでしょう。
そこで、マイクロソフトは、主要ソフトの技術情報を無償公開
することによって、欧州委員会を味方につけようとしている
可能性があります。
これまで、マイクロソフトは、世界中の技術者やメーカーから
技術情報の公開を求められても、頑として応じようとはしません
でした。
そのマイクロソフトが、欧州委員会の要求に応じたとなれば、
欧州委員会としては、未だかつて無い大きな成果をあげたこと
になります。
これをえさに、ヤフー買収について、欧州委員会の協力を得よう
とマイクロソフトが考えても不思議ではありません。
技術情報の公開は、それほど大きな意味があります。
逆に見れば、マイクロソフトはそこまでしてでもヤフーを買収
したいということです。
虎の子の技術情報を使ってでも、マイクロソフトはヤフー買収を
成功したいようです。
マイクロソフト会長のビルゲイツ氏は、2/18にインタビューに
応じ、ヤフー買収に失敗しても、グーグルに対抗するため
検索エンジン事業に多額の資金を投じる計画であることを語り
ました。
2年前、ビルゲイツ氏は、2008年7月に同社の第一線から退く
という引退宣言をしています。
そのため、ゲイツ氏がマイクロソフトの陣頭指揮を執るのは
残り半年未満。
ヤフー買収は、ゲイツ氏最後の大仕事ともいえる一大事業なの
かもしれません。
そのため、マイクロソフトは、ヤフー買収にすべてを賭けている
ような勢いで進んできています。
ゲイツ氏引退までの期間、マイクロソフトの動きから目が離せ
そうにありません。
《関連Webサイト》マイクロソフト
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