あらたにす開設──日経、朝日、読売よみくらべサイト


あらたにす開設──日経、朝日、読売よみくらべサイト

   

      ~日経新聞 2008/01/31 1 面から



日経・朝日・読売インターネット事業組合(理事長・長田公平日本経済新聞
デジタルメディア社長)は31日朝、ウェブサイト「あらたにす」
http://allatanys.jp)を開設しました。
新サイトの特色は3つの新聞の「よみくらべ」です。1面、社会面の主要記事
や社説などが3紙分いっぺんに読めるので、ニュースの速さだけでなく、その
切り口や論調の違いなども実感していただけると思います。日々の朝刊の編集
責任者が語る「編集局から」、各界の著名人が「新聞案内人」として執筆する
3紙比較のコラムも掲載します。


●● 本日開設された新サイト、あらたにすはこちらです。

   
http://allatanys.jp/

   新聞の読み比べができるようになっていますが、このサイトに表示
   されているのは、記事タイトルと冒頭の100文字程度。
   本文全文を読む場合には、それぞれの新聞サイトに飛ぶことになり
   ます。

   使い方としては、検索エンジンに近いですね。

   新聞大手3社が集まって作ったこのサイトを見ると、かなりグーグルを
   意識していることが鮮明に浮き彫りにされているように思います。


   この「あらたにす」が対抗しているのは、おそらくこちらのiGoogle

   と思われます。

    http://www.google.co.jp/ig?hl=ja

   グーグルの場合、自動的に各新聞社のサイトの記事を読み込み、
   各個人のマイページに表示します。

   ただ、グーグルの場合、ニュースだけでなく、ガジェットという
   機能を組み込むことで、株価情報や天気予報・スケジュールなど
   かなりの情報をマイページに読み込み、表示することが可能に
   なります。

   また、ニュースについても大手3社以外のニュースも読み込み、
   エンタテイメント、テクノロジーなどカテゴリーに分けて表示
   します。


   正直なところ、これまでiGoogle
を使っている人から見ると、
   「あらたにす」の利用価値は特にないといえます。

   新聞が好きで、1面記事の比較や天声人語などのコラム・社説が
   横断的に読みたいという人には適したサイトといえますが、
   せっかく大手3社が協業したのですから、もう少しなにか新しい
   サービスが展開できたのではないかと思います。


   おそらく、新聞会社にとって、グーグルのようなニュース記事の
   引用は、いまだに大きな脅威ととらえられているのでしょう。

   2004年に讀賣新聞社が見出しの引用について、ニュース配信会社
   を訴えた訴訟では、特に大きな成果をあげることができず、今に
   いたっています。

   その結果、大々的にニュース記事を引用しているグーグルに対して、
   訴訟を起こすような動きは見られません。

   ただ、グーグルの場合もそうですが、捉え方によっては、無料で
   記事を紹介して、自社サイトへのリンクを増やしてくれていると
   考えることができます。

   先の訴訟でも、引用が直接営利に結びつき、新聞社に対して損害を
   与えたかどうかが大きな争点となりましたが、ネット上での引用の
   場合、必ずしもそうではありません。

   逆に、新聞社の利益に貢献する部分も多いといえます。


   それでも、今回このようなサイトが開設されることになりました。

   もしかしたら、ネットの普及の影響で、新聞社にも統廃合の時期が
   迫っているのかもしれません。



《関連Webサイト》asahi.com
http://www.asahi.com/