KDDI固定電話基本料、NTTより250円安
市外通話一律
~日経新聞 2004/09/09 1 面から
KDDIは来年3月までに割安の固定電話サービスを開始する。月額基本料金は
1500円程度(税抜き、都心部住宅向け)で、NTT東西地域会社より約250円
安い。市外通話料は距離に関係なく一律3分20円程度にする方針。ソフト
バンクも割安固定電話サービスへの参入を表明しているが、KDDIはIP
(インターネットプロトコル)技術の応用でソフトバンクよりさらに低料金
に設定し対抗する。
●● 早くもソフトバンクの参入効果が出ています。
先日、情報通信の国連専門機関、国際電気通信連合(ITU)が
世界のブロードバンド普及率などを報告書を発表しました。
その報告書によれば、日本のブロードバンド普及率は、世界8位。
利用者数ランキングでは、米国に次いで世界2位。
2年前の調査に比べてかなり上昇しています。
また、ブロードバンド利用にかかる費用面の調査では、日本が
他国に比べてダントツに安くなっています。
2位の国に比べて、1/2~1/4という破格の安さです。
ブロードバンド利用にかかる費用面のメリットがなければ、
日本のブロードバンド普及は、まだまだ遅れていことでしょう。
一方、実質的にNTTが独占してきた固定電話の基本料金は世界的に
みて、最高値の部類に入ります。
特に、加入時一時金の高さは、世界一の高値です。
米国と比較すると、日本の方が10倍近い高値となっています。
ソフトバンクが買収した日本テレコムを通じて開始する固定電話
サービス「おとくライン」は、電話加入権の費用負担はありません。
毎月の基本料金もNTTより200円安い設定でした。
今回、そのソフトバンクの参入を受けて、KDDIが「おとくライン」
をさらに下回る価格設定の固定電話サービス開始を発表。
永年にわたって高止まりしていた固定電話の基本料金が、一気に
10~15%程度下がる可能性が高まってきました。
こうなると、おそらくNTTも値下げに踏み切ることになるでしょう。
ADSLと同じパターンです。
つい先日、日経新聞にソフトバンク社長・孫正義氏の提言広告が
掲載されました。
内容は、総務省が策定している携帯電話用の800MHz電波帯割当て
に関するものでした。
総務省は、この電波帯の割当てを、今後8年間に渡って、従来の
まま、NTTドコモとKDDIの2社に独占的に割当てていくという案を
提出。
この案に対して、孫氏が自由な競争を著しく阻害するものである
として、一般の方にも広くの意見を募集するという趣旨でした。
ソフトバンクは、ADSL参入をかわきりに、固定電話・携帯電話など
各種通信事業への参入を進めています。
固定電話へは、今回、買収した日本テレコムを通じて参入を開始
しましたが、携帯電話は、電波帯の割当ての問題によって、参入が
困難な状態になっているといえます。
なんらかの規制があれば、当然自由競争は阻まれます。
総務省の意図は、どこにあるのでしょうか。
《関連Webサイト》 KDDI株式会社