米マイクロソフト ウィンドウズ設計図開示
東大などと技術協力
~日経新聞 2003/12/18 13 面から
米マイクロソフトは東京大学や東京工業大学などとコンピューターセキュ
リティー分野で技術協力する。大学向けに日本では初めて基本ソフト
(OS)「ウィンドウズ」の設計図(ソースコード)を開示。技術者の
交流なども進めながら、ウイルスの検知システムなど安全面の技術開発を
促す。
●● 現在、世界に存在するコンピュータウイルスのほとんどすべてが、
マイクロソフトのOSであるWindowsを狙ったものです。
コンピュータ用のOSには、Windowsのほかに、MacOSやUNIX、Linux
などがありますが、Windows以外のOSの場合、ウイルス対策がほとんど
必要ではありませんし、たとえ、ウイルスメールが届いて、それを
開いてしまっても、感染の危険はないのです。
これは、Windowsが、実用性を優先に開発され、目に見えないセキュ
リティの部分の開発が遅れたことと、OS市場において、Windowsの
寡占状態が進みすぎたことが大きな要因となっています。
今年、大きな問題となったブラスターワームというウイルスは、
マイクロソフトが発表したWindowsのセキュリティ上の欠陥情報を
利用して作られました。
これは言ってみれば、マイクロソフトがわざわざここを狙ってくだ
さいと公表したようなものです。
マイクロソフトの公表から数ヵ月後、この欠陥を狙ってばら撒かれた
ブラスターワームは、全世界で100万台以上のパソコンに感染する
という大被害を引き起こしました。
1台あたりの被害額を10,000円と見積もっても、世界で100億円規模
の損害額になります。
また、現状、Windowsが導入されたパソコンを購入すると、当たり
前のようにウイルス対策ソフトが付属しています。
インターネットに接続してパソコンを使用する以上、対策ソフトが
ないと、いつでもウイルス感染の危険性にさらされてしまいます。
そして、このウイルス対策ソフトを継続して利用するためには、
1年毎に数千円の更新料が必要です。
これは、マイクロソフトが開発したWindowsの欠陥を補うために、
ユーザーが別の投資をしていることを意味しています。
マイクロソフトがWindowsのセキュリティ機能を強化すれば、
こうした投資は不要になります。
マイクロソフトが技術協力する大学グループは、文部科学省の
支援を受けてセキュリティ対策ソフトを開発しています。
今回の技術協力が実現されると、間接的に、マイクロソフトに
対して日本国民の税金が投資されることになります。
共同で開発されたソフトがどのようにユーザーに届くのか。
しっかり見届ける必要がありそうです。
《関連Webサイト》
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