ネット広告配信精度向上でしのぎ 行動履歴を追え
~日経新聞 2007/10/17 15 面から
自宅のパソコンでポータル(玄関)サイトのマンション特集ページを眺めて
いたAさん。一週間後同じサイトでニュースを読んでいると、記事の傍らに
現れたのはマンションの広告。結婚を機に新居購入を検討中のAさん、
広告が気になり思わずクリックした――。
●● 少し前まで、ウェブサイトでのユーザー登録は、主に決済用途や
メールマガジン配信用に利用されていました。
しかし、この「行動ターゲティング広告」という概念が導入されて
以降、ユーザー登録は、この広告を配信するための行動履歴を管理
する個別IDという意味合いも持つようになりました。
ヤフーは今年4月から、この行動ターゲティング広告の配信を開始
しています。
http://pr.yahoo.co.jp/release/2007/0213a.html
ヤフーのように日本最大のユーザーを抱え、膨大なコンテンツを
有するポータルサイトには極めて適した広告手法といえるでしょう。
この広告は、一般的な無作為の広告に比べ、クリック率は数倍に
なります。
米国では、すでに全ネット広告の10%程度がこの行動ターゲティング
広告だといわれています。
日本でも急速に普及することが予想されます。
匿名性の高いインターネットですが、ユーザー登録によって個人は
特定され、その興味や関心は日々行動履歴から解析され蓄積されて
いきます。
広告の精度を高める手段とはいえ、多少恐ろしい気もします。
もしかしたら、行動履歴の解析を逃れるため、ユーザー登録しない
人や、頻繁にユーザー番号を変えるような人がでてくるかもしれ
ません。
ヤフーが行動ターゲティング広告を導入したのは今年に入ってから
ですが、大手ショッピングサイトではすでに似たような仕組みが導入
されていました。
たとえばアマゾンでは、ユーザーがどの商品をクリックしたか、
行動履歴を蓄積し、趣味・趣向にあった商品をおすすめ商品として
自動的に表示します。
また、消耗品などを購入した場合、購入後、定期的にその商品を
表示し、購入を促すようなこともします。
アマゾンの場合、4-5年程度前からこのような仕組みが導入されて
いました。
おそらく、行動ターゲティング広告の先駆けともいえる仕組みです。
この行動ターゲティング広告が広まるにつれ、会員登録の重要性が
増してきます。
会員数の大小が大きな力を持つようになることは間違いないようです。
《関連Webサイト》サイバー・コミュニケーションズ
http://www.cci.co.jp/