次世代DVD、LG電子、2規格一体対応駆動装置


次世代DVD、LG電子、2規格一体対応駆動装置

   下旬に発売

      ~日経新聞 2007/08/02 13 面から



韓国のLG電子は次世代DVDの「ブルーレイ・ディスク(BD)」と
「HD―DVD」の両規格を1台で再生・録画できるパソコン用駆動装置
を8月下旬に日本で発売する。韓国で量産体制が整ったためで、両規格
対応のDVD駆動装置の発売は日本初という。


●● 鳴り物入りで発売された次世代DVDですが、現状、ほとんど普及
   していません。


   光ディスクに占める次世代DVDの比率は1%未満。

   DVDレコーダーも対応機の比率が1.4%程度と、ほとんど利用されて
   いない状態です。


   ここまで普及が遅れている要因のひとつは規格が2つに分裂した
   ことだといえるでしょう。


   今回、LG電子が発表した2規格対応の駆動装置は、こうした
   規格分裂の問題を解消するための最初の一歩となるかもしれ
   ません。


   次世代DVDの2規格、HD
DVD と Blu-ray Disc
では円盤の形状
   および読み取りに使うレーザーの波長、映像や音声の保存規格、
   著作権保護技術などは共通しています。

   両規格で最も異なる部分は、記録層の深さです。

   HD
DVDは現行のDVDと同じ0.6mmであるのに対し、Blu-ray Disc

   は0.1mm。

   極めて簡単に比較すると、この違いだけなのですが、現状、これが
   大きな差となって、普及の妨げとなっているのです。


   LG電子は、この記録層の深さの違いに対応した部品の開発
   および量産化に成功したのです。

   残念ながら、日本企業よりも技術的に先行しているといえます。


   実は、もうひとつ、両規格に対応する方法がすでに発表されて
   います。

   今年初めにワーナー・ブラザースが発表した、両規格互換
   ディスク「Total
Hi Def
Disc」(THD)というもの。

   これは、光ディスクの両面にそれぞれの規格のデータを記録し、
   1枚のディスクで両規格に対応するというしくみです。


   いずれにしても、規格が統一されなかったために考案された
   強引な統合方法といえるでしょう。

   これらの開発にかかる費用や、上乗せされる価格分を負担する
   のはすべて消費者なのです。


   世界が2分されたような次世代DVDの規格争い。

   この争いに辟易した消費者が買い控えをしているというのが、
   最も次世代DVDの普及が遅れいてる要因かもしれません。


《関連Webサイト》LG
:: Japan http://jp.lge.com/index.do