「ビスタ」情報検索機能を修正、グーグル批判受け
~日経新聞 2007/06/21 夕刊 3 面から
米マイクロソフトは20日、パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・
ビスタ」の情報検索機能を年内に修正することを明らかにした。同機能に
ついては、グーグルが「競合する検索ソフト会社に不利な仕組み」として
米司法省などに問題を指摘していた。マイクロソフトは問題の早期解決で
経営への悪影響を回避する。
問題になっているのは、パソコン内に保存された情報を素早く見つける
ための「デスクトップサーチ」と呼ぶ機能。マイクロソフトやグーグルなど
が対応ソフトを手がけ、シェアを競っている。グーグルによると、ビスタ
搭載パソコンでは、マイクロソフト製以外の検索ソフトは処理速度が落ちる
など使いにくく、事実上、消費者から選択肢を奪っているという。
マイクロソフトは年末までに修正ソフトを配布する。
●● 本当にそんなことをしていたのか。
これが正直な感想ですね。
マイクロソフトが発売したWindowsVISTAは、マイクロソフトと競合
しているソフトウェアの動作が極めて悪くなるということが噂として
広まっていました。
しかし、それは、噂ではなく厳然たる事実であったようです。
今回、マイクロソフトが認めたのは、グーグルによるパソコン内
情報検索ソフト「グーグルデスクトップ」についての問題です。
WindowsVISTAには、当初からマイクロソフト製のパソコン内検索
ソフトが装備されていますので、マイクロソフトにとっては、
グーグルデスクトップは、完全に競合するソフトになります。
グーグルデスクトップは無料ですので、ユーザーにとってはどちら
でも問題ないといえますが、マイクロソフトは自社の領域にグーグル
が入ってくることを嫌ったといえます。
そのため、わざわざグーグルデスクトップの動作が遅くなるシステム
を導入していたようです。
修正ソフトで直る内容ですので、その策略は明らかといえます。
WindowsVISTAには、その他のソフトでも、このような傾向があります。
例えば、ウイルス対策ソフト。
マイクロソフトは、VISTA発売に先駆けて、OneCareというウイルス
対策ソフトを発売しました。
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B000K15VZS
自社ソフトのセキュリティ上の問題を、別売りのソフトで解決する
という方法も、問題あるといえますが、それは置いておきます。
VISTAの場合、このOneCareを利用した場合と、他のウイルス対策
ソフトを利用した場合では、明らかに処理速度が違います。
OneCareの方が、圧倒的に速いのです。
ここにも意図的な何かがあるといえそうです。
また、VISTAには、アップルのiTunesに対抗するメディアプレーヤー
が標準装備されています。
VISTAが発売されてから、iTunesのVISTA対応版がすぐにリリース
されると思われたのですが、VISTA対応のiTunesが発表されたのは、
つい先日のことです。
VISTAが発売されてから6ヶ月も経過してからでした。
VISTAの発売前に、VISTAの仕様が公開され、ベータ版などが配布
されますので、アップルは当然、VISTA対応版の開発を進めていた
と思われますが、ここまで時間がかかったのは、何らかの問題が
あったためと推測されます。
iTunesが使えなかった6ヶ月間、マイクロソフトのメディアプレーヤー
に乗り換えた人もいたでしょう。
他社が開発したソフトを自社で開発し、OSに組み込んでシェアを
奪う。
ウェブブラウザでNetscape
Navigatorからシェアを奪ったときと
同じ手法です。
こんなことがまた繰り返されようとしています。
《関連Webサイト》 Microsoft
Windows Vista: ホーム
http://www.microsoft.com/japan/windows/products/windowsvista/