英会話授業1回900円、海外在住講師とパソコン画面で


英会話授業1回900円、海外在住講師とパソコン画面で

   

      ~日経新聞 2006/01/13 29 面から



福利厚生代行のベネフィット・ワンの社内ベンチャー第一号、スピーク
ライン(東京・渋谷)は15日、無料インターネット電話ソフト「スカイプ」
を使い英会話レッスンのサービスを始める。海外の外国人講師と一対一の
授業を一回900円からの低料金で提供する。初年度の受講者7000人、
売上高一億円を目指す。


●● 無料インターネット電話ソフトの「スカイプ」が、徐々にインター
   ネット電話の世界的なデファクトスタンダードの地位を固めつつ
   あります。


   今回掲載された記事は、完全にこの「スカイプ」の利用を前提にした
   ビジネスモデルだといえます。


   従来、パソコンを使った個人レッスンには、業者が販売・配布する
   専用のソフトをインストールして利用するのが一般的でした。

   このソフトの導入費用は、形はどうあれ、最終的には、利用者が
   負担することになります。


   今回、スピークラインは、講師と利用者間の通信に、無料のソフトを
   利用することにより、この、ソフトウェア導入費用を削減できます。

   また、このスカイプが世界共通のソフトで、多様な言語に対応して
   おり、世界中のユーザーが無料で使えるため、今回のような、海外
   在住の講師と、日本国内の利用者を結びつけることが容易に可能と
   なります。


   そして、驚くのはその価格です。

   ECCなどのウェブレッスンの場合、講師と一対一のレッスンでは、
   30分でおよそ5000円程度。
   一対四のレッスンでも、50分で2500円程度かかります。

   今回スピークラインが発表した料金は、25分間の一対一の講義が
   1回900円というものです。

   驚異的な低価格といえます。


   この価格から算出すると、講師の時給は最大でも2000円程度になり
   ます。

   もちろん、利用料金から企業側の経費分などが差し引かれますので、
   講師に実際に支払われる費用は、1時間あたり1000円以下であると
   想像できます。


   この時給で、日本国内で講師を雇うことは極めて難しいといえます。

   無料のソフトを使って、海外在住の講師と利用者を直接つなげること
   によってはじめて、この破格ともいえる低価格が実現できたといえる
   でしょう。


   インターネットが世界中でインフラとして整備されると、このような
   サービスの流通が、世界規模で可能となります。

   今回のスピークラインのビジネスモデルは、幅広いジャンルに適用
   できる内容であるといえそうです。


《関連Webサイト》 ベネフィット・ワン
http://www.benefit-one.co.jp/