私大定員割れ、最多の155校 全体の29%

私大定員割れ、最多の155校

   今春入試で全体の29%

      ~日経新聞 2004/08/04 社会 面から

今春入試で定員割れした私立4年制大学は過去最多の155校に達し、全体の
29.1%を占めることが3日、日本私立学校振興・共済事業団のまとめで
分かった。定員割れした割合は3年ぶりに前年を上回った。中国・四国や
北陸の私大が学生確保に苦しむなど、大都市と地方で二極分化が進んで
いるほか、個別でも大規模校や有名校とそうでない大学の格差に拍車が
かかっている。

ロストプロセス・ジェネレーション サントリー不易流行研究所 (著)

●● 「全入時代」という言葉があります。

   これは、大学・短大の志願者が、大学・短大をあわせた定員を
   上回り、数字上では、志願者全員が大学に入学できる時代のことを
   いいます。

   これまでの予測では、「全入時代」の到来は、2009年以降とされて
   いましたが、最近、志願者の傾向が変化し、2007年には「全入時代」
   に突入すると予測が変更されました。

   しかし、大学の人気度の違いによって、すでに私大を中心に定員割れ
   が始まっています。

   記事によれば、既に私大全体の30%近くが定員割れになっています。

   なかでも、私大の短大は、全体の40%以上が定員割れを起しています。

   人気校と不人気校・都市の大学と地方の大学。
   二極分化がすすみ、地方の不人気校は、はやくも存亡の危機に面して
   いるといっても過言ではありません。

   大学にも、急速なリストラの波が押し寄せようとしています。

   昨日の日経流通新聞に、現在の大学生前後の世代、いわゆる
   ジェネレーションY世代(16~25歳)の傾向が特集されていました。

   日経流通新聞では、その傾向を「脱力消費」とまとめており、
   「出不精」で「近場主義」という特徴が示されています。

   この世代の特色としては、

     □ 休日の過ごし方 1位 インターネット 66.0%

     □ 100万円あったら 1位 パソコン機器・ソフト 33.0%

     □ やりたい仕事は 1位 公務員 26.9%

     □ コンビニに望むもの 1位 携帯電話の充電 43.5%

     □ 携帯電話に望むもの 1位 音楽が聴ける 52.5%

     □ 同じものならできるだけ安い店を探して買う 61.9%

     □ 携帯電話で通販を利用したことがある 22.0%

   ひとつ上の世代であるジェネレーションX世代(30歳代~40代前半)
   とは、かなり異なる傾向が示されています。

   この世代の若者が、前代未聞の「全入時代」の大学生活を経て社会に
   出てきたとき、どのような時代を築くのでしょうか。

   少子高齢化の影響や、国の莫大な負債などのバブル時代のつけが、
   そのまま覆いかぶさる世代でもあります。

《関連Webサイト》 文部科学省 中央教育審議会