ウィニー事件 「開発者逮捕」米では意外感
「違法といえず」連邦地裁が判決
~日経新聞 2004/05/12 11 面から
インターネットを介したファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」の
開発者が逮捕された事件が、ネット先進国の米国にも波紋を広げている。米国
ではすでに、不正利用される可能性を認識していたとしても同ソフトを開発・
流布しただけでは違法と言えないとする判決が出ている。「利用者」でなく
「開発者」の法的責任を問う日本の動きは、米国では意外感を持って受け止め
られそうだ。
●● 日本の最高学府、東京大学の教員から逮捕者が出ました。
5/10、京都府警は、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者である
東京大大学院助手・金子勇氏(33)を著作権法違の反幇助容疑で逮捕しま
した。
このファイル共有ソフトWinnyは、インターネット上の匿名ユーザー
間で、あらゆるファイル交換を可能にするソフトです。
現在、日本国内に数百万人規模の利用者がいるといわれており、
このソフトを介して、日夜大量のファイル交換が行われていることは
間違いありません。
逮捕された金子容疑者は、もともと大量のソフトを開発し、無償で配布
している優秀で、学究性が高く、どちらかというと公益性を求めるタイプ
のプログラマーだといえるでしょう。
http://homepage1.nifty.com/kaneko/
配布されているソフトも、非常にアカデミックなものが多く、一般人
にはその意味さえ判らないものが多いといえます。
その中に、アニメ調の人体CGを制作するソフトなども提供されて
います。
http://homepage1.nifty.com/kaneko/anibody.htm
金子氏は、茨城大学大学院にて博士号を取得後、民間のIT企業へ
就職します。
しかし、就職から1年後、東大大学院の特任教員として採用されます。
そのとき、金子氏は、弱冠30歳。
日本を代表する技術者であることは間違いないでしょう。
また、金子氏は、インターネットの掲示板上に、次の投稿を残して
います。
『そろそろ匿名性を実現できるファイル共有ソフトが出てきて、
現在の著作権に関する概念を変えざるを得なくなるはず。
試しに自分でその流れを後押ししてみよう。』
氏にとって、公益性を阻む著作権は敵であり、このWinnyは、その
著作権自体を崩壊させるために開発した可能性が高そうです。
金子氏が逮捕された5/10、日経平均株価は500円を超える下げを記録
しました。
そして、インターネット関連株の代表ともいえるソフトバンク株は、
ストップ安にまで売り込まれました。
この大幅な株安には、Winny開発者の逮捕が影響していた可能性あり
そうです。
ソフトバンク子会社のソフトバンクパブリッシングは、このWinny
を解説した週刊誌などを大量に発行しています。
その他の出版社でも、このWinny解説本は多数存在します。
今回の逮捕劇は、ファイル共有ソフトに対する警察の取締りが強化
された証左ともいえます。
Winny利用者全面摘発といった事態へと展開していく可能性もありえる
のかもしれません。
《関連Webサイト》 東京大学