カカクコム、アドレス流出「補償考えず」
~日経新聞 2005/05/26 面から
不正アクセスを受けて、5月14日から自社サイトの運営を停止していた
カカクコムは24日夜にサイトを再開するとともに25日、事件に関する
説明会を開いた。ウイルスに感染した利用者やメールアドレスが流出
した延べ22,511人の利用者への金銭的な補償は考えず、ウイルス駆除や
迷惑メール対策に関する情報提供で支援するとしている。
セキュリティー情報は経済産業省の外郭団体である情報処理推進機構
(IPA)を通じて公開する。個別企業には秘密保持契約を結んだうえで
提供していくという
●● WEBでのサービス提供に特化している企業にとって、サイトへの
不正アクセスおよびサーバーからの情報漏洩は、極めて大きな
問題です。
カカクコムが、サイトへの不正アクセスを発表した5/16以降、
同社の株価は下落を続けています。
http://tinyurl.com/8y3by
直前の5/11には、「価格コムワイヤレスBB」という、公衆無線
LAN(構内情報通信網)サービスを始めるとの報道もあり、
株価は、1年近く堅調な動きを続けていただけに、不正アクセス
による株価の下落は、同社にとって大きなものだといえます。
5/15には、96万円程度であった株価は、現在85万円程度となって
います。
1週間程度で10%、金額にして40億円もの時価総額が吹き飛んだ
計算になります。
不正アクセス発覚後、カカクコムは、1週間という長期にわたって
サービスを停止しました。
1週間もの間サービスを停止することは、著名サイトにしては異例
ともいえる決定です。
サービス再開に際して、カカクコムは約60台のサーバーを一新した
と発表しています。
サイト閉鎖中の同社の損失は、3,500万円以上と推計されています。
年間売上の1/50という数字ですから、それほど大きな数字とはいえ
ません。
同社にとっては、信頼の低下と株価の下落の方が大きな打撃と
いえるかもしれません。
今回の事件で、名を上げたソフトウェアがあります。
それが、キヤノンシステムソリューションズの、NOD32
アンチ
ウイルスというウイルス対策ソフトです。
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B0006G896A
これまでも、その実力は評価されていましたが、著名ソフトの
陰に隠れて、販売はいまいちでした。
しかし、今回、カカクコムサイトに不正に設置されたウイルスを、
著名ソフトをさしおいて、このNOD32だけが駆除したのです。
カカクコムに設置されたウイルスは、新種のものでしたが、
このNOD32は、独自の機能で新種のウイルスにも対応できたのです。
この事実が広まると、NOD32は、急速に売上を伸ばし、amazonの
ソフトウェア部門で売上1位に躍り出るまでになっています。
善悪を問えば、不正アクセスするハッカーが悪といえますが、
WEBサービスを提供している企業にとって、その対策は生命線
ともいえそうです。
《関連Webサイト》 価格.com
http://www.kakaku.com/