ロンドンで同時テロ アルカイダ名乗る声明
~日経新聞 2005/07/08 1 面から
ロンドン中心部が標的となった同時テロで、英国のストロー外相は7日、
「国際テロ組織アルカイダ系のテロの特徴がある」と言明、アルカイダの
関与を示唆した。ロンドン警視庁によると犠牲者は4人増え37人。犯行は
主要国(G8)首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)に合わせ、
イラク戦争などに積極的に参戦した英国に対して仕掛けられた大規模な
報復テロの可能性が強まった。
アルカイダ https://www.iw-jp.com/am.php?id=4062124769
●● 一昨日、2012年夏季オリンピック開催地に選ばれたロンドンが、
非情な同時テロに襲われました。
これまでのところ、このテロの犠牲者は37名。
重軽傷者は400名近くに上るようです。
ロンドン市街地を中心に、計4箇所で発生した爆破テロでした。
午前9時ごろという最も通勤で混雑する時間帯に、バスや地下鉄
などの交通機関を狙った極めて悪質な攻撃です。
現在、英国で開催されているグレンイーグルズ・サミットの開幕に
合わせた犯行であると見られています。
また、アルカイダを名乗るグループが犯行声明を出しており、
英国のストロー外相も、アルカイダ系テログループの関与を
示唆しています。
テロ発生後、ロンドンには厳戒態勢がしかれ、市内の交通機関は
マヒ状態に陥っています。
今回のテロは、サミットが開かれる国の首都で、サミットが開かれた
当日に発生しています。
通常よりも、厳しいレベルの警戒態勢が敷かれている状態の下で、
平然とテロが実行されました。
また、テロの対象が、米国だけでなく、米国と協調する国に広がって
いることを示しているといえます。
2001年9月に発生した米同時多発テロ後のイラク戦争で、米国と協調
して派兵した英国は、アルカイダにとって、第2位の標的国である
ことは以前から指摘されていました。
アルカイダの組織と名乗るグループの声明には、「攻撃を成功させる
ために長い時間をかけた」とあります。
犯行グループが長い時間をかけて準備するほど、攻撃は精巧かつ
緻密になり、逆に対テロ国家では、時間の経過とともにテロに対する
警戒感が薄れ、恐怖感は忘れ去られてしまうため、先進国家の首都で
さえ、テロリストの魔の手にかかってしまうことになります。
上記の声明では、「デンマークやイタリアなど」イラク戦争に協調
したすべての政府に「イラクとアフガニスタンから」兵を引かない限り
「同じ罰が下される」としています。
次のテロまでは、また長い時間をかけた準備が待っています。
全世界的な和平が成し遂げられない限り、我々の一般市民の生活さえ
常にテロの標的として危険にさらされているのです。
《関連Webサイト》 G8
Gleneagles 2005 http://www.g8.gov.uk/