世界同時不況の影―連続マイナス成長、現実味
~日経新聞 2008/11/27 1 面から
金融危機が各国経済を下押しし、世界同時不況の様相が広がっている。
日本も景気後退局面に入り、2009年に日米欧がそろって戦後初のマイナス
成長に陥るとの観測が浮上。企業は減産と設備投資の減額を急ぎ、消費者
心理も冷え込んでいる。景気停滞が深く長くなるおそれが出てきた。
●● 経済にとって、不景気とは病気のようなものといえます。
人間の場合、健康なときには見えないものが、病気になるといろいろと
目につくようになってきます。
また、歴史に名を残した偉人には、大病を経験した人も多く、
大病を機に、大きく飛躍する人物も多いと言えます。
経済にとって、不景気が病気のようなものであれば、それにも
大きな意味があると考えられます。
いたずらに不安をあおるマスコミの論調には飽食ぎみですが、
大きな変化の時期が来たと前向きに捉える方法もあると思います。
今回の世界同時不況の原因として、大きなものは、膨張したマネーと
超大企業の失墜の2つといえるでしょう。
膨張したマネーは、多くの金融機関がマネーがマネーを生み出す
仕組みを競うように構築し、実態のマネーの数十倍から数百倍の
仮想資金を生みだし、それを市場で運用したことが要因といえます。
このような事態が起きた根本的な要因は、金融機関の倫理感の欠如
だといえるでしょう。
いつしかバブルがはじけると言うことは、誰の目にも明らかでした。
バブルがはじける前に、大金をせしめて逃げ出すことを前提に金融
機関は荒稼ぎをしていたといえます。
金融機関の社員が得ていた桁外れな高給をみてもそのことはよく
わかります。
目先の欲望に目がくらんで、将来を見据えた施策をしなかったツケが
みごとに回ってきたのが現状です。
ただ、その金融機関がそのまま普通に倒産していれば、これほど
大きな影響はなかったでしょう。
しかし、今回の場合、大半の金融機関がその方法に手を染めており、
市場への影響を考慮してつぶすことができない点が今回の不況の
大きな要因となっています。
また、金融機関以外でも超大企業が、経営危機に陥っています。
これは、超大企業が、これからの時代にそぐわないと言うことが
示されているような気がしてなりません。
6500万年前、恐竜が絶滅した理由は、身体が大きすぎて時代の変化に
対応できなかったためだと言われています。
これからの時代、変化への対応ができない組織体になってしまった
超大企業は、時代の変化に取り残され、絶滅する可能性を示唆して
いるような気がします。
世界不況は世界がよりよくなるためのステップ。
そう考えて変化に対応できる人が、この不況をバネに成長できる
人だと言えそうです。
《関連Webサイト》
NIKKEI
NET(日経ネット):景気ウオッチ
http://www.nikkei.co.jp/keiki/