マックより2-3割安、サイゼリヤがファストフード店展開
~日経新聞 2005/01/05 夕刊 1 面から
ファミリーレストラン大手のサイゼリヤがファストフードに進出する。今年
夏をめどに1号店を開き、主力商品となるハンバーガーは日本マクドナルド
より2―3割安くする。海外に牛肉加工工場を持ち、野菜も日本の関連農場で
栽培、食材の自社生産を武器に安全性と安さで既存チェーンに挑む。
当面は直営で展開するが、フランチャイズチェーン(FC)も視野に入れ、
「1000店以上の店舗網を目指す」(正垣泰彦社長)。すでにオーストラリア
に牛肉やソースの加工工場を開設。福島県白河市近郊では地元農業関係者の
協力を得て、レタスなどを生産している。今後はハンバーガー用トマトなど
メニューに合わせた商品開発を進める。
●● マクドナルドは、日本国内での店舗数約3,700店、売上高
約3,900億円という、いわずとしれた日本最大のファーストフード
チェーンです。
1店舗あたりの年商が1~3億円と、低価格戦略で爆発的にヒット
していた一時期の勢いはありませんが、依然として、飲食業界の
トップに君臨しています。
そのマクドナルドに主力商品であるハンバーガーで、しかも、
マクドナルドよりも低価格で挑む企業が出てきました。
ファミリーレストラン大手の株式会社サイゼリヤです。
株式会社サイゼリアは、イタリア料理店「サイゼリヤ」を全国に
チェーン展開している企業です。
総店舗数は約700店舗、年間売上高は約650億円。
規模的には、マクドナルドの1/5くらいの企業といえます。
株式会社サイゼリアは、昭和43年千葉県に造られた1件のイタリアン
レストランから発展した企業です。
このレストランを創業したのは、現在のサイゼリア社長である正垣
泰彦氏。
創業当時、正垣氏は22歳。
東京理科大学在学中のことです。
正垣氏は、理工系の出身という、飲食業界では珍しい存在といえます。
そのため正垣氏は、「フードサービスはメーカーである」と語り、
生産から製造・販売までをシステムとして捉え、作業やサービス、
味覚に至るまでをすべて数量化して評価するという、極めて科学的な
経営を営んでいます。
このような合理的な経営が、サイゼリア最大の特徴であり、東証一部
上場にまで同社を引き上げた原動力といえます。
原価率が業界で最も高いレベルにありながら、高い利益率を誇っている
ことが、同社の合理的な経営を物語っています。
ただ、サイゼリア社のホームページでは、この日経の報道について、
「企業戦略の一環として検討中」
とのプレスリリースが昨日付けで掲載されています。
具体的な計画などはまだない状態といえそうですが、早期の参入を
期待したいものです。
≪関連Webサイト≫ 株式会社 サイゼリア
http://www.saizeriya.co.jp/