脱法ドラッグ ネット販売 売上1億?
容疑の19歳逮捕
~日経新聞 2004/01/08 社会 面から
陶酔作用がある未承認薬「2―CT―2」をインターネットで販売したと
して、愛知県警生活経済課と瑞穂署は七日、埼玉県伊奈町の無職少年(19)
を薬事法違反(無許可販売)の疑いで逮捕した。
少年は2001年6月から昨年11月まで9種類の脱法ドラッグを全国の約5,000人
に販売、約1億1,000万円を売り上げた疑いが持たれており、県警は余罪を
追及する。
●● 愛知県警が、埼玉県の少年を逮捕する。
相変わらずの縦割り行政ですが、今後増加するとネット犯罪に
対応できるのでしょうか。
逮捕された少年の供述によれば、少年は高校中退後の2001年に、
この薬物のネット上での国内販売価格が、海外の価格よりも高い
ことに気づき、「儲かる」と輸入販売を始めたということです。
当時少年は16歳。
以後、およそ2年半にわたって販売を続け、およそ5,000人に
総額1億円強を売り上げたようです。
単純に売上のみ公表されているので、どれだけの利益を上げて
いたかは不明ですが、10代の少年が、ネット上で2年半のうちに
1億円を売り上げたという事実は驚愕すべきことです。
記事になった「脱法ドラッグ」とは、幻覚・催眠作用があるとして
販売されている商品の総称です。
この脱法ドラッグを販売している業者は、「合法ドラッグ」と称して
さも法律に合っているかのように見せかけて販売していますが、
これは、日本の法規制が間に合わないため、規制にかからず流通
しているだけです。
ただ、海外で普通に流通している薬品であっても、日本国内で医薬品
の認可が下りていない薬品の場合、これらを商品として販売する
行為は、未承認医薬品の販売という薬事法違反行為となります。
しかし、この脱法ドラッグのなかには、薬品に分類できない食品も
存在し、すべてが薬事法で取り締まることができていないのが実態
です。
また、薬品であっても、海外の業者から、個人輸入で購入したり、
業者が個人輸入代行とみせかけたりした場合、これを現行の法律の
中で取り締まることは極めて困難です。
そのため、この脱法ドラックの流通は、これまでほとんど野放しに
近い状態でした。
今回のような販売業者の摘発は、脱法ドラッグ取り締まりに対する
警察の姿勢が硬化したものと考えられます。
ただ、こうしてマスコミに報道されることによって、新たに脱法
ドラッグに対して興味を持つ国民が増加することも事実です。
迅速かつ全面的な取締りが必要なのではないでしょうか。
《関連Webサイト》 東京都健康局食品医薬品安全部薬事監視課
http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/yakuji/