ピンまで何ヤード? GPSで距離確認

ピンまで何ヤード? GPSで距離確認

   日本ユニシス情報システム ゴルフ場で端末貸し出し

      ~日経新聞 2004/02/26 35 面から

日本ユニシス情報システム(東京・江東)は四月、国内のゴルフ場で全地球
測位システム(GPS)を使ってプレーヤーに距離情報を伝えるサービスを
始める。専用の携帯端末を使って、コース上のプレー地点からバンカーなど
の障害物やピンまでの距離を調べることができる。キャディーがつかない
セルフプレーの利用者向けに導入する。

●● そろそろ暖かくなり、ゴルフシーズンが近づいてきましたが、今年
   からゴルフコース上で小型端末を凝視するプレイヤーの姿が見られる
   ようになりそうです。

   GPSの電波は、山や建物などがあるとそれに遮断されて届かないと
   いう特性がありますが、ゴルフ場のコースであれば、こうした問題
   はほとんどないでしょう。
   ゴルフ場+GPSというのは、極めて相性のよい組み合わせかもしれ
   ません。

   auが第3世代携帯電話で始めた『EZナビウォーク』サービスもGPSを
   利用したサービスです。
   徐々にGPSが小型端末に搭載されるようになって来ました。

   近年、GPSという言葉を頻繁に耳にするようになりました。
   そのため、誰でも自由に無料で使えるサービスのように思いがち
   です。

   しかし、GPS(global positioning system)は、米国は主に軍事目的
   のために、構築したシステムです。
   地球の周りに約30基の衛星がくまなく配置され、位置情報の電波を
   送受信しています。

   米国は、このGPS構築を1978年から始めました。
   構築費用は1.5兆円規模。
   国家的な大プロジェクトでした。

   冷戦終結後の1993年、米国はそのGPSを民間(非軍事)利用に
   開放します。
   その対象は全世界、しかも利用料は無料です。

   1.5兆円を投じたシステムが無料で利用できるということで、多くの
   国がこのGPS利用に走ります。
   当然日本もGPS利用をはじめ、衛星による位置情報取得手段の
   ほとんどをGPSに依存するようになりました。

   一方で、ロシアや欧州・中国・インドなどは、独自の位置情報システム
   構築をはじめています。
   ロシアは「グロナス」というシステムの構築を終え、すでに民間へと
   開放しました。
   欧州・中国・インド連合は、2008年サービス開始を目指して開発を
   進めています。

   日本は、米国GPSを補完するための衛星を2008年に打ち上げる予定
   ですが、独自のシステムを構築する予定はありません。

   現在の状況では、日本の要人がGPS端末を持った場合、米国の当局
   にはその要人の位置情報が24時間筒抜けです。
   誰と誰が何処で会ったか、手に取るようにわかってしまいます。

   日本政府も、ここままでいいとは考えていないはずです。

《関連Webサイト》 日本ユニシス情報システム