米グーグルとKDDIと提携 携帯電話の検索技術
~日経新聞 2006/05/19 1 面から
米インターネット検索大手グーグルとKDDIは18日、携帯電話のネット
検索で提携すると発表した。7月からKDDIの携帯電話「au」に
グーグルの検索技術を利用する。グーグルが日本で携帯電話会社と組むの
は初めて。携帯からパソコン並みにネット上の情報にアクセスできるよう
になり利便性が高まる。
KDDIのネットサービス「EZweb」の先頭ページにグーグルの検索
コーナーを設ける。利用者がキーワードを入力するとKDDIの公式サイト
だけでなく、ネット上のパソコン用サイトも簡単に検索できる。KDDI
はサービス拡充で契約者を拡大。グーグルは携帯を使ったネットサービス
が広がる中、主力のパソコン向けに加え携帯向け事業を強化する。
携快電話
13 全キャリア対応
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B000C0QWMS
●● 今回の提携は、ソフトバンクがボーダフォンを買収したため発生する
ボーダフォン+ヤフー連携に対抗するための対策といえるでしょう。
ソフトバンクがボーダフォンを買収しなかった場合、今回の提携には
至らなかった可能性さえあります。
これまで、携帯サイトにはあまり検索という概念はありませんでした。
基本的な利用方法は、携帯キャリアが用意した公式メニュー画面から、
それぞれのサービスをたどっていくというもの。
そのため、携帯サイトは、公式メニューに掲載されるか否かが成否を
分けるといっても過言ではありませんでした。
公式サイトに掲載されるには、企画書を作成し、各キャリアの厳しい
審査を経て承認される必要があります。
運営企業の実績や経営状態なども含めて総合的な審査が必要となって
いました。
また、企画書も100ページ程度のものを用意する必要がありました。
各携帯キャリアも、公式サイトを入り口にしたほうが、サイト全体の
質を確保できることと、手数料収入を確保できるため、完全に公式
サイトを優先したメニュー画面となっていました。
当然、auもそのような構造になっていましたが、ボーダフォン+ヤフー
連携の脅威に対抗するため、先手を打って公式メニューにグーグルの
検索窓を掲載することを決めたようです。
これまで、閉鎖的であった携帯サイトが、検索エンジンの登場で、
パソコンサイトのようにオープンな世界になる可能性が高くなって
きています。
シェア1位のドコモも対応を迫られることになりそうです。
グーグルの検索機能自体は、以前から携帯サイトに対応していました。
http://www.google.co.jp/mobile/
今回の提携の要点は、公式メニューに検索窓を設けるという点にあり
ます。
公式メニューに、非公式のサイトを検索できる検索窓を設けることで、
公式サイトから顧客が流出する可能性も高くなります。
あえて、auがこちらの道を選んだ理由には、オープンなネットを指向
するユーザーの動向があるためでしょう。
比較的凡庸な公式サイトに飽きたユーザーが、非公式サイトの視聴に
向かっている傾向が強くなってきているためです。
近い将来、携帯サイトもパソコンサイトのようなオープンな構造に
変わることが予想されます。
こちらでも、ヤフー対グーグルの検索エンジン2強対決となりそうな
雰囲気になっています。
第3の勢力が浮上するチャンスが、ここにあるように思います。
《関連Webサイト》 KDDI
http://www.kddi.com/