60代「デジタル生活」満喫
パソコン・携帯半数が利用
~日経新聞 2004/03/04 3 面から
60代は45%がパソコンを使いこなし、3人に2人が孫や子より自分のモノを
買いたいと思っていることが、日本経済新聞社のシニア調査でわかった。
資産総額は一世帯当たり約3,600万円。潤沢な資金と時間的余裕を持ち、
前向きにデジタル生活を楽しむ姿が鮮明になった。
●● 現在の日本の60歳代は、「焼け跡世代」とも呼ばれ、「団塊世代」
ひとつ上の世代です。
戦争中に生まれ、直接戦争には参加していませんが、戦争直後の飢餓
を経験しており、このときの貧困が幼少期の原体験となった世代である
といわれています。
この世代は、団塊世代と並び、日本の歴史の中で最も成功した世代の
ひとつだといえるでしょう。
資産総額は、一世帯平均で3,600万円。
60歳から支給される年金は、夫婦二人で生活するには、十分な額と
なっており、まだまだ年金資金が枯渇する心配はいりません。
日経MJ紙によれば、生活費を除いた小遣いは、10,000~30,000円が
32%・30,000~50,000円が25%となっています。
主な趣味の数も平均で7.7個、50歳を過ぎてから始めた趣味も
平均2.8個と、非常にアクティブに活動している姿が想像されます。
また、「これからは自分のためにお金を使いたい」と答えている方が
67%にのぼり、「孫や子供のため」の36%を大幅に上回っています。
資産を残したいという気持ちは、ひとつうえの世代よりも低く、
築き上げた資産は、自分のために使うという考えの方が多いよう
です。
しかし、一方で、「シニア向け商品を買ったことがない」とされる方
が75%と大半を占め、このリッチな焼け跡世代は、シニア扱いを
されることに拒否反応を示していることがうかがえます。
「インターネットで情報収集する」60%、「メールで情報交換する」
55%と、過半数の方がパソコン・携帯電話を日常的に利用されており、
デジタル製品に弱いという印象は全くなく、逆に積極的に活用している
と考えられます。
現在一般的に想定されている「シニア」とも、戦後日本の中心的な
存在である「団塊世代」とも異なるこの「焼け跡世代」。
多くの企業にとって、この世代が保有する潤沢な資産は、垂涎の的
であることは間違いありません。
引退世代の資産の動きは、今後の日本の景気に大きな影響を与える
大きな要因のひとつとなるでしょう。
《関連Webサイト》 シニア・ナビ