介護保険料、20歳以上から徴収で調整
厚労省 給付・負担 均衡狙う
~日経新聞 2004/04/27 7 面から
厚生労働省は26日、現在は40歳以上としている介護保険料の徴収対象について
20歳以上に広げる案を軸に検討に入った。高齢化などを背景に膨らむ給付を
賄うため、負担層を広げて長期的に給付と負担を均衡させるのが狙いだ。
同日の社会保障審議会介護保険部会で検討に着手、来年の通常国会で法改正
をめざす。ただ負担増となる企業は猛反発しており、議論の難航は必至だ。
●● 日本の人口がピークアウトすると言われている2006年が迫りつつ
あります。
最近、マスコミの報道では『景気回復』の文字が頻繁に登場する
ようになりましたが、日本の少子高齢化は、日々着実に進んで
います。
そして、この国の国民には、今後、徐々に社会保険料負担が重く
のしかかるようになっていきます。
現在、介護保険料は、40歳以上の国民が支払う保険料と、税金から
拠出された資金によって賄われています。
保険料と税金の負担割合は1:1。
介護保険制度は、半分が税金で賄われているという非常に特殊な
保険制度であるといえます。
そのため、40歳以下の国民でも、納税者であれば、間接的に
介護保険料を支払っていることになります。
現在の日本では、消費税が課されるため、非納税者になることは
難しく、社会人であれば、ほぼ全員が間接的にではありますが、
介護保険料の負担をしているといえます。
今回記事になった法改正案は、20歳~40歳までの国民を、直接的
な介護保険料負担者にするというものです。
現在、40歳以上の人が支払っている介護保険料は、標準報酬月額の
1.11%。
これを労使折半で負担するため、本人負担額は、標準報酬月額の
0.555%です。
月給総額が30万円の場合、本人が負担する介護保険料は1,665円と
なります。
同じ月給総額の人が負担する健康保険料は12,300円であるのに
比べると大きな金額ではありませんが、保険給付が増えると、
すぐに保険料負担を上げようとする政府の姿勢に大きな違和感を
覚えます。
昨今、『自己責任』という言葉が広く議論されていますが、介護
保険の分野でも、個々の国民が自己責任で保険を利用し、その運営
も完全に民間に委ねた形の方が、平等かつ透明で付加価値の高い
サービスが享受できるのではないでしょうか。
少なくとも、保険期間の途中で保険料を一方的に上げられるような
ことはなくなるといえます。
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