「ヤフーBB」が対策 接続記録を半永久的に保存

「ヤフーBB」が対策 接続記録を半永久的に保存

   顧客情報流出事件

      ~日経新聞 2004/03/05 11 面から

ソフトバンク子会社でブロードバンド(高速大容量)通信サービス「ヤフー
BB」を運営するソフトバンクBB(東京・中央)は4日、顧客情報流出事件
を受けて今月末までに実施する緊急対策を発表した。顧客情報へのアクセス
記録を半永久的に保存するほか、派遣社員を含めた全従業員に研修を実施し、
再発防止につなげる。

●● 今回の顧客情報流出事件により、ソフトバンクおよびヤフーの株価が
   下落したのは、報道から2日間だけでした。

   3日目からは上昇に転じ、現在は、両社とも事件前の株価を上回って
   います。

   記事には、ソフトバンクが「大手都市銀行並のセキュリティーを実現
   する」考えを表明したとありますが、実害がさほどなかった今回の
   ような事件によって、ソフトバンク系列企業のセキュリティー対策が
   進むのであれば、顧客にとってはよい傾向であるといえそうです。

   ソフトバンクのような大手企業は、保有する人材や資産を活かして、
   比較的簡単にセキュリティー対策に取り組むことができます。
   しかし、中小企業や個人が、自力で本格的なセキュリティー対策に
   に取り組むことは容易ではありません。

   中小企業や個人がハッカーなどの標的となるケースはまだ少ないと
   いえますが、これだけパソコンとインターネットが普及した今、
   国全体でセキュリティー対策に取り組む必要性があるように感じ
   ます。

   最近、私はメールの自動返信機能について、セキュリティー面での
   問題を感じています。

   これは、アウトルックなどのメールソフトに標準装備された機能で、
   出張などで不在のときに届いたメールに対して、自動的に不在期間
   の通知などを送信する機能です。

   メールの返事が遅くなることがわかるため、非常に親切で便利な
   機能ですが、架空請求メールが送信されてきたケースを考えてみて
   ください。

   メールソフトは、当然、架空請求メールにも自動的に返信します。
   これは、架空請求を行っている業者に、そのメールアドレスが存在
   することを教えてしまうことになります。

   自動返信の内容に、会社名や電話番号などが記載されている場合、
   事態はさらに深刻です。

   会社宛に請求の電話などがかかってくる危険性が生じます。
   また、こうして盗まれた個人情報は、架空請求を行っている業者間で
   売買され、さらに大きな被害へと繋がっていくようです。

   便利な機能が悪意の利用者によって使えなくなることに憤りを覚え
   ますが、自分の個人情報は、まずは自分で守るしかありません。

《関連Webサイト》 国民生活センター