新生銀、地固め終え拡大路線へ

新生銀、地固め終え拡大路線へ

   ノンバンク買収に意欲

      ~日経新聞 2004/12/21 7 面から

新生銀行は20日、2004年9月中間決算を発表した。記者会見した八城政基
会長兼社長は「やるべきことをやったうえで、大きくなることは必要」
と述べ、リテール(小口金融)部門の黒字化、金利収入に頼らない収益
構造の確立など経営の地固めが終わり、ノンバンクのさらなる買収など
業容の拡大に乗り出す意欲を示した。今後は軽量店舗の全国展開を含め、
拡大路線にかじを切る。

●● 現時点で、最も魅力的なサービスを提供している銀行は、新生銀行
   だと思います。

   現在、新生銀行のホームページのトップで紹介されている商品は
   下記の2点。

    ○ 円定期預金パワード・ワン 元本保証 金利年1%

    ○ パワースマート住宅ローン 当初5年間金利 条件付き年1%

   この2点の商品だけでも、他行が追随できないレベルの商品である
   といえるでしょう。

   実際、金利年1%のパワード・ワンは、発売開始から7ヶ月でおよそ
   4,000億円を8万名の利用者から集めました。

   平均すると、一人当たり500万円という数字になります。

   毎日およそ400人の利用者が、平均500万円ずつを新生銀行に預けて
   いる計算になります。
   毎日毎日20億円の入金があるということです。

   これほど支持されるサービスを提供しているのであれば、拡大路線
   への転換も、それほど困難なことではないように感じます。

   これまで、新生銀行の弱点として、知名度の低さと店舗の少なさが
   挙げられました。

   現状、新生銀行の本支店数は29店。

   新生銀行は、いわゆる都市銀行ですが、他の都市銀行の店舗数と
   比較すると、その店舗数の少なさが際立ちます。

    みずほ銀行618店 ・ UFJ銀行498店 ・ 井住友銀行455店
    東京三菱銀行267店

   ただ、逆に言えば、店舗や人員など抱えた資産が少ない分、他行
   を圧倒する商品を提供できたといえるでしょう。

   今後、展開する100店舗も、各店舗、従業員が2~3名という小型
   店舗です。
   一般的な都銀の支店とは全く異なる店舗であるといえます。

   新生銀行成功の要因として、母体となる日本長期信用銀行が破綻
   したことにより、完全なスクラップ&ビルドが行われたことが
   挙げられます。

   再生を指揮したのは、米投資ファンドのリップルウッド社です。

   旧来の店舗と人員を引きずりながら統合・合併を進める都銀が、
   新生銀行と同等のサービスを提供できるわけがありません。

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