次世代DVD容量10倍 松下、録画機を月末発売
店頭価格30万円前後
~日経新聞 2004/07/01 3 面から
次世代DVD(デジタル多用途ディスク)商戦が始まった。松下電器産業は
30日、一枚に高精細のハイビジョン映像を四時間半録画できる「ブルーレイ・
ディスク」対応のレコーダーを七月三十一日に発売すると発表した。記録
容量が現行のDVDの10倍以上と大きく、アテネ五輪を高画質で録画、
保存したい消費者のニーズの取り込みを狙う。
●● 次世代DVDの規格をめぐって、新たな争いが始まっています。
今年に入ってから、ソニーのパソコンであるVAIOの仕様に異変が
起こっています。
これまで、自社規格のメモリーカードであるメモリースティック
一辺倒であったVAIOに、SDカードなど、他のメモリーカード用
スロットが装備されるようになったのです。
特に、最近発売された夏モデルでは、その傾向が顕著に現れて
います。
メモリーカードの世界シェアは、2003年末時点で下記のように
なっています。
SDカード 30%
CompactFlash 29%
メモリー・スティック 22%
調査時点の数字だけを見ると、シェアは逼迫しているようにも
見えますが、実際には、SDカードのシェア上昇率が他に抜きん
出ている状態です。
米IDCの予測によれば、SDカードのシェアは、2005年には50.0%に、
2007年には56.6%に増え、メモリーカードの市場標準になると
しています。
SDカードの小型版であるminiSDも、携帯電話用の分野などで主流に
なるとの予測があります。
これらの結果を受けてかどうかは分りませんが、ソニーはVAIOに
SDカードスロットを装備する決断を下したようです。
SDカードの普及に大きな影響を与えた企業のひとつに、松下電器
があります。
同社は、デジカメ・パソコンはもちろんのこと、薄型テレビや
DVDレコーダーにまでSDカードスロットを装備しています。
松下のある幹部は、「SDカードの成功を当初から確信していた」
とも語っています。
大変有名な話ですが、ビデオカセットのVHS対ベータ規格争いで、
松下が最後にVHS陣営に参加したことが、VHS勝利を決定付けた
といわれています。
SDカードでも同様の動きが見てとれます。
また、どちらかというとこれまでの規格争いにおいて、松下vsソニー
という構図が多かったといえます。
しかし、今回、松下が参加したブルーレイ・ディスク方式では、
遂にソニーとタッグを組むことになります。
しかも、DVDフォーラムがHD DVD規格の承認へ動くなど、当初から
ブルーレイディスク陣営には逆風が吹いている状態です。
松下は、先行発売という訴求効果に全力をかけているようにも
みえます。
ベータやメモリースティックなど、規格争いで苦杯をなめることが
多いソニーも、これまでの経験を生かした戦略を企てていること
でしょう。
《関連Webサイト》 ブルーレイ規格サイト