「韓流」「アテネ特需」が横綱・04年ヒット商品番付

「韓流」「アテネ特需」が横綱・04年ヒット商品番付

   

      ~日経新聞 2004/12/08 3 面から

日本経済新聞社は2004年日経MJヒット商品番付をまとめた。東西の横綱は
「韓流」と「アテネ特需」。国境や時間を超えた感動が多くの人の心を
とらえた。世相を映すヒット商品の底流にあるのは、世代を問わずココロも
カラダも若々しく輝きたいという「輝齢(キレイ)」を求める消費者心理。
肩ひじ張らず目標に向かう10代「楽TEEN」も市場をリードした。

●● 毎年恒例の日経ヒット商品番付が発表されました。

   ただ、毎年残念なのは、日経本誌には、番付の真ん中くらいまでしか
   掲載されません。
   番付の全体と、番付に関する考察を読むためには、日経MJ紙を読む
   必要がありますが、こちらは、定期購読を申し込んでおかないと、
   コンビニなどではなかなか手に入らないのが実態です。

   実は、今年の番付は、下半分にこれまでにはなかったかなり特殊な
   商品が登場しています。

   たとえは「萌え」です。

   最近、テレビ番組の特集などでも取り上げられることが多く、既に
   ご存知の方も多いかと思いますが、この言葉は、いわゆるオタク系
   の人が以前から利用していた言葉です。

   特にインターネット上の掲示板やオタク系サイトでは、ほとんど
   一般用語として頻繁に使われています。

   この「萌え」は、Windowsに付属の文字変換機能IMEでも、変換でき、
   言葉の意味も出てくる常用外用語です。

   本来の意味は、草木などが芽ぐむときをあらわす言葉であり、
   「若草が萌える」などのように使用します。

   しかし、オタク語としては、特定対象への偏愛を表す言葉として
   使われています。
   例えば、美少女フィギュアなどに対する偏愛が、「萌え」として
   表現されています。

   単なる隠語であれば、日経のヒット商品番付には登場するわけが
   ありませんが、この「萌え」は、単なる隠語に終わっていません。

   美少女キャラを登場させた英単語集が、「萌える英単語
   (もえたん)として昨年年末に発売されました。
   定価が1200円というこの書籍は、1年間で17万部を売るヒット商品
   となっています。

   その他にも、DVD・ゲーム・CDなど、「萌え」をキーワードにした
   商品は、既に大量に発売されています。
   アマゾンにて「萌え」をキーワードに商品検索をすると、書籍217
   商品をはじめとして、合計400程度の商品が並びます。

   また、ヒット商品番付に登場している書籍「電車男」もこれまでの
   ヒット商品番付には見られなかった異質な商品といえます。

   こちらの書籍が発売されたのは、今年の10月22日ですが、発売10日で
   20万部を売り上げました。
   現在でもアマゾンランキング50位を快走中です。
   また、アマゾンのカスタマーレビューの数が200件を超えるなど、
   ネット上での注目度は異常に高い商品といえます。

   こちらの書籍は、ひとりのオタク系青年が、彼女をデートに誘う
   方法をネット掲示板で相談したことが発端となっています。
   その相談に、多くの人が回答し、実際に青年が行動する過程を
   そのまま書籍にしたという商品です。

   これまで、ヒット商品としてあまり表には出てこなかったオタク系
   の商品が、今年急にヒット商品に顔を出してきました。

   来年、この「オタク系商品」が日本の消費を変えていくのかも
   しれません。

《関連書籍》日本オタク大賞2004