TBS、認定持ち株会社化発表、楽天、狭まる選択肢


TBS、認定持ち株会社化発表、楽天、狭まる選択肢

   

      ~日経新聞 2008/09/12 11 面から



TBSは11日、2009年4月に放送法上の認定放送持ち株会社に移行すると
正式発表した。同持ち株会社には特定の株主が議決権の33%超を保有でき
ない出資制限がある。12月開催の臨時株主総会で可決すれば、筆頭株主の
楽天による買収は法的に不可能。資本参加に1000億円以上を投じた楽天の
今後の選択肢は狭められる。


●● 楽天によるTBS買収劇は、今回の認定放送持株会社への移行で
   一旦決着する事になりそうです。


   認定放送持株会社という制度は、今年の4月に改正放送法として
   総務省が認めた制度です。

   この法改正の目的は、現在の在京キー局と地方局を子会社として
   同列に扱う事ができるようにすることです。

   このことにより、キー局と地方局の間の格差を是正し、地方局の
   財政基盤が整備できるようにすることを目指しています。

   現在のテレビ放送は、在京キー局主導型ですが、地方局との
   財務的な繋がりは薄い状態でした。

   この認定放送持株会社化により、財務的に統合され、地方局を
   含むグループ全体での安定化が見込まれます。


   また、もう一つの目的として、放送局の公益性を保つため、
   持株会社に対する一株主の出資比率を10%以上3分の1未満とする
   条項が設けられています。

   その結果、この持株会社への最大出資比率は33%未満までとなり、
   役員選任・解任の決議など単独で株主総会における重要な決議を
   決議する事はできなくなります。

   TBSは、この制度をうまく利用し、楽天に対する最強の買収
   防衛策を装備したと言えそうです。


   楽天側は、以前より、この認定放送持株会社化に反対意見を表明
   していました。
   ただ、それには効力はなく、TBS側は来年4月に認定放送持株
   会社化することを決定したようです。


   これにより、楽天によるTBS買収は事実上不可能となります。

   昨日のTBSの発表を受け、楽天株は一時ストップ安になり
   ました。

   本日も大きく下げており、株価はたった2日間で10%以上下落
   しています。

   楽天側は、TBSに保有株式の買い取り請求をする事くらいしか
   選択肢は残されていません。


   テレビ局買収の夢を絶たれた楽天は、今後どのような動きをみせる
   のでしょうか。
   注目したいと思います。



《関連Webサイト》TBS
http://www.tbs.co.jp/