NTT株がストップ高、株主配分強化を好感
一株純資産は下回る
~日経新聞 2008/05/15 17 面から
14日の東京株式市場でNTTの株価が商いを伴って大幅続伸した。終値は
前の日に比べ5万円(11%)高い49万8,000円と、制限値幅の上限(ストップ
高)で取引を終えた。13日の取引時間終了後に同社が発表した2009年3月期の
大幅な増配と自社株取得枠の設定額の大きさが好感されたようだ。
●● NTTのような時価総額が8兆円近い大きな銘柄が値幅制限まで変動する
ということは、極めてまれです。
しかも今回は、買われる方。
不祥事などで売られてストップ安ということはまれにありますが、
ストップ高となりますと、極めて珍しい出来事といえます。
今回のストップ高の要因は、13日の夕刻に発表された増配などの
株主還元策です。
その一つ目は、増配。
年間の配当を9,000円から11,000円へ2,000円の増配となります。
株価を50万円と仮定すると、配当利回りは1.8%から2.2%へ0.4%
の向上となります。
現在、銀行預金の利回りが0.2%ですので、この数字は大きな数字と
いえます。
もう一つは、自社株買い。
1年間に、45万株。
最大2000億円の自社株買いを実施すると言うことです。
45万株は、現在のNTT株式総発行数の3%程度。
極めて単純に考えると、その間に、3%程度の株価向上が見込めると
いう計算になります。
NTTが2,000億円の資金を資金を、株主に還元すると言うことです。
この2つの株主還元策が功を奏し、発表翌日のストップ高となりました。
今朝は、多少下げていますが、ストップ高の上げに比べると微々たる
数字といえます。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=9432.t&d=c&k=c3&a=v&t=3m
ただ、現在の株価50万円は、一株純資産54万円に近づきつつあります。
成熟企業であるNTTの株価が、この数字を超えることは考えにくく、
現在の株価水準がある程度上限となりそうです。
NTTは今年の春闘で、社員の賃上げには応じませんでした。
その代りに、資金を株主還元策に回したといえます。
昨今、上場企業の多くがこのような傾向にあります。
果たして、この方向性は正しいのでしょうか。
《関連Webサイト》NTT
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