任天堂、営業益2.2倍 前期4872億円で最高
事業拡大へM&Aも
~日経新聞 2008/04/25 11 面から
任天堂が24日発表した2008年3月期の連結決算は、営業利益が前の期比2.2倍の
4872億円、経常利益が53%増の4408億円だった。09年3月期もWiiの伸び
などで営業、経常とも三期連続の最高益を見込む。ただ、伸び率は鈍化して
おり、事業拡大に向け「新技術の取得などのためM&A(合併・買収)を
検討する」(岩田聡社長)方針も打ち出している。
●● 業績絶好調の任天堂ですが、本日の取引では、株価を少し下げて
います。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=7974.o&d=c
過去最高の決算ではありますが、株価は既にそれを織り込み済み、
昨日の発表は、市場の期待値をわずかに下回る基準であったよう
です。
同社の好成績の要因は、もちろんWiiとDSによるものです。
両機種とも、依然として、品薄が続いており、店頭に陳列すれば、
置いたそばから売れていくという状態にあります。
過去最高益というのも納得できるといえます。
ただ、発売から3年半が経過したDSの方は、さすがに売上げの
鈍化が見られてきました。
今年に入ってから、競合商品である、ソニーのPSPに販売台数で
抜かれることが増えてきています。
現在絶好調のWiiがありますので、当面は心配無用ですが、
次期DSの発売が、そろそろ発表されるのではないでしょうか。
ちなみに、任天堂は、ほぼファブレス企業です。
つまり、社内に製造設備を持たず、研究開発のみに専念している
企業です。
そして、製造の大半を外部のメーカーに委託しています。
そのため、任天堂は、実態としてはメーカーではありません。
WiiもDSも外部の企業が製造しているのです。
そのため、任天堂の売上げが好調なときは、任天堂銘柄と
呼ばれる外部委託先企業の株が注目されます。
たとえば、Wii用コントローラーの部品などを製造しているミツミ
電機の場合、Wiiが発売された2006年末から株価が上昇し、10ヶ月
ほどで、一時、2006年末の株価の2倍の水準にまで達しました。
http://tinyurl.com/63v4r9
その後、大きく下げてしまいましたが、任天堂効果が顕著な銘柄
といえます。
DS向けにLSIを製造しているメガチップスという会社も、DS発売開始
から徐々に値を上げはじめ、当初の2倍の水準まで値を上げました。
http://tinyurl.com/6qzxeg
こちらも現在は値を下げてしまっていますが、いずれも、世界的な
株安の影響が強く、業績の実態を反映して下げたとは考えにくい
といえます。
任天堂の株価は、現在56,700円。
単元株数が100株ですので、投資には567万円が必要になります。
100株の場合の配当が126,000円となり、配当性向が2.2%もあります
ので、よい投資先といえますが、現時点では、金額的にぽんと投資
できる株ではありません。
ただ、任天堂株も、2006年1月の段階で、その株価は14,000円でした。
2年と3ヶ月で4倍になったのです。
当時任天堂は、ソニーのPSに大敗し、市場から見放されていました。
その企業が、たった数年で大逆転劇を演じることになったのです。
いつ、どの時点でも、市場には、こういう会社がどこかに眠って
いるといえるのではないでしょうか。
《関連Webサイト》任天堂ホームページ
http://www.nintendo.co.jp/