逮捕の元組長「ゆびとま」経営―VB投資、新たなリスク


逮捕の元組長「ゆびとま」経営―VB投資、新たなリスク

   

      ~日経新聞 2007/02/20 17 面から



同窓会サイト運営の「ゆびとま」(長崎市)を巡り、ベンチャー投資業界に
波紋が広がっている。民事再生法違反で逮捕されたアドテックス(破産
手続き中)の元副社長で元暴力団山口組系組長、下村好男容疑者がゆびとま
社長を務めていたからだ。19日正午過ぎにゆびとま株を保有していること
を公表したネットエイジの株価は、午後の取引で急落した。


●● 日本のインターネット黎明期ともいえる1990年代、この「ゆびとま」
   は非常に有名で人気の高いサービスでした。

   当時ネットサービスを紹介した雑誌や書籍には、必ずと言っていい
   ほど、この「ゆびとま」が掲載されていました。


   現在非常に普及しているSNSの原型をこのゆびとまに見ることができ
   ます。
   今考えると、かなり進んだサービスだったといえます。


   現在、この「ゆびとま」のユーザー数は350万人。

   先日、SNS最大手のmixiのユーザー数が800万人を超えましたが、
   それ以前の段階で、個人ユーザーを300万人超抱えていたこの
   「ゆびとま」は、実は、日本一のSNSサイトだったのかもしれ
   ません。


   学校を中心に同級生を結ぶゆびとまは、イメージ的にも暖かい
   人間味のあふれるサイトであるといえます。

   このゆびとまは、女性が創設し、当初は数百名からなるボランティア
   によって運営されていました。

   後に、ベンチャーキャピタルなどが出資し、現在は、完全に法人に
   よる営利サービスとなっていますが、基本的にイメージはクリーンな
   ままといえます。


   このようなサービスを提供している企業が、裏社会の資金づくりに
   利用されていたとなると、大きなイメージダウンとなることは間違い
   ありません。


   さらに言えば、このゆびとまは、一般的なSNSとは異なり、にユーザー
   は基本的に本名で登録します。
   また、当然ですがメールアドレスも登録しています。

   こうした面から見ると、350万人の個人情報名簿を保有するサイトで
   あるといえます。

   このようなサイトが、裏社会に利用される可能性が十分にあった
   のです。

   有名大学の卒業者リストなどは、それだけでも高い価値があるで
   しょう。
   その情報が、350万人分におよぶのです。


   インターネットの非常に危険な側面を見せられた気がします。



《関連Webサイト》株式会社ゆびとま
http://www.yubitoma.co.jp/