最低資本金規制の特例会社で初の上場へ
サイト運営の「比較・com」
~日経新聞 2006/02/15 17 面から
資本金が1000万円に満たなくても株式会社を設立できる最低資本金規制の
特例を利用して創業した比較・com(東京・渋谷、渡辺哲男社長)が、
近く株式を公開する。早ければ3月にも上場する見通しで、2003年8月の
設立から2年7カ月のスピード上場となる。03年2月の制度導入以来、株式
上場の例は初めて。起業のすそ野拡大などを目的とした特例制度の効果が
表れ始めた。
●● 最低資本金規制の特例を受けた会社が上場する。
これほど早い時期に実現するとは思いもしませんでした。
このようなサクセスストーリーを実現したのは、比較.com
株式会社。
価格比較サイトを運営する会社です。
価格比較サイトで最も有名なサイトは、「価格.com」です。
http://kakaku.com/
ユーザー数はおよそ800万人。
運営している株式会社カカクコムはすでに上場しています。
こちらの比較.com
株式会社が運営する価格比較サイトは、
「比較.com」。
http://hikaku.com/
ユーザー数はおよそ90万人。
ロゴマークも手作り感があふれており、見た目は、上場企業のような
スマートさにはかけるといえます。
しかし、業績はあげています。
設立2期目となる2005年6月期の決算では、売上高2.5億円。
経常利益が1億円となっています。
経常利益率が、実に40%にのぼります。
極めて利益率の高いビジネスといえるでしょう。
比較.comが立ち上げたビジネスは、新しいビジネスモデルではあり
ません。
既存のビジネスモデルを多少別の商品に横展開したビジネスです。
そのようなビジネスでも、高い利益率を確保し、設立2年7ヶ月という
スピードで株式上場にまで進むことができるということです。
創業社長の渡辺氏は、ベンチャーキャピタル勤務を経て独立して
いるようですので、創業当初から上場を目標にしていたと考えられ
ます。
創業時の資本金は現金が50万円。
パソコンなど現物出資の200万円をあわせても250万円でした。
どこにでもある、個人事業的な小さな起業といえますが、3年を
待たず、東証マザーズへの上場を実現しようとしています。
ライブドア事件が騒がれる今、IT関連の事業だけでも地に足のついた
ビジネスができることを、この会社が証明しているようにも見えます。
4月からの資本金規制の撤廃で、このような会社が増えると、日本は
また大きく変わりそうです。
《関連Webサイト》 ドリームゲート
http://www.dreamgate.gr.jp/