ライブドア、自社株の不正売却80億円 偽計取引の全容判明


ライブドア、自社株の不正売却80億円

   偽計取引の全容判明

      ~日経新聞 2006/01/20 1 面から



ライブドアグループによる証券取引法違反事件で、虚偽情報を開示して買収
した6社を巡る偽計取引のほぼ全容が19日、明らかになった。株式交換の
名目で新規発行した自社株の売却収入は約80億円にのぼり、大半を
ライブドア本体に還流して不正に利益計上し粉飾していたという。
自社株を発行しては株式分割を公表するなどして株価をつり上げ、
利益を水増しする手口が繰り返されていた。



●● ライブドア株のストップ安が続いています。

   すでに4日間で、株価は半値にまで落ちました。
   これはすなわち、時価総額が半減したことを意味します。

   
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=4753.t&d=c&k=c3&z=m&h=on


   「時価総額世界一」を目指していた同社は、巧妙な錬金術をあみ
   だしていました。


   数年前、同社上場当初に利用していた錬金術は「株式分割」でした。

   同社が行った自社株の株式分割は下記の通りです。

    2001年7月 株式分割1:3

    2003年8月 株式分割1:10
    2004年2月 株式分割1:100
    2004年8月 株式分割1:10


   合計4回の分割で、元の株式を30,000分割した計算になります。

   ライブドアは、自社株だけでなく、子会社の株も下記の通り分割して
   います。

    ライブドアマーケティング 100分割
    ニューディール 1000分割
    シーマ 101分割
    ゼクー 100分割


   これらの分割は、マスコミなどで頻繁に報道されているとおり、
   分割の際の需給関係の問題により、株価が上昇する効果を狙っての
   ものと考えられます。

   ただ、このような分割は、他社も使用しており、ライブドアのみが
   責められるような問題ではなく、分割した際に需給関係が逼迫する
   という問題を抱えた現在の仕組みの方に問題があるといえます。

   今回の事件でも、当初、同社がこのような株式分割を利用して、
   不当に株価を引き上げた疑惑に関しての捜査であるという報道が
   なされておりました。


   しかし、実態は大きく異なる物でした。


   今回明らかになってきた内容は、巧妙な株式交換を利用した方法に
   よる巨額の利益捻出と、その利益を利用した自社業績の水増しです。

   しかも、このような取引を実施した対象は6つの企業におよびます。

   今回利用した方法は、専門家でも明らかな違法性が認められるとは
   いえないというような巧妙な方法です。

   しかし、システムの不備を突いた巧妙な錬金術により生み出した
   利益を企業の業績として水増しする方法は、望ましい方法とは
   いえません。


   現在、堀江氏が、日本の若手経営者の中で、先頭集団にいることは
   間違いないでしょう。

   法律上のグレーゾーンを利用した奇策ではなく、正攻法で時価総額
   世界一を目指して欲しいと考える人は多いのではないでしょうか。


《関連Webサイト》ライブドアマーケティング
http://ldm.livedoor.jp/