ジェイコム株 UBSが120億円の利益
現金決済を完了
~日経新聞 2005/12/14 1 面から
みずほ証券がジェイコム株を大量に誤発注した問題の解決策として、同社株
の買い手に強制的に現金を引き渡す特例措置が日本証券クリアリング機構と
証券会社の間で13日、完了した。これを受け東京証券取引所はジェイコム株
の取引を基準値91万2000円として14日から再開する。現金決済で欧州系金融
機関、UBSグループが120億円程度の利益を得たことも明らかになった。
●● 株式投資は、短期的に見ると、ゼロサムゲームであるといえます。
今回のジェイコム株を巡る騒動では、みずほ証券が400億円の損失
を出した分、誰かが400億円の利益を上げています。
400億円という数字は、なかなかピンと来ませんが、4,000人の投資家
が、全員1,000万円の利益を上げることができる数字です。
ただ、この400億円のうちのおよそ半分の200億円弱は、大手証券会社
の自己取引による利益となりました。
なかでも、際だって取引額が大きかったのが、UBSグループ。
グループ全体で、120億円程度の利益を上げていたことが判明しま
した。
全体の30%を超える巨額になります。
このUBSグループは、本社をスイスに置く、世界的な金融グループ
企業です。
世界50ヵ国でサービスを展開し、70,000人の社員を擁し、700万超の
顧客を抱えている巨大企業です。
グループ全体での営業利益額は昨年度で3.5兆円。
トヨタ自動車3社分の利益を上げています。
この数字から見ると、120億円という利益は、それほど大きな額では
ないのかもしれません。
一方、昨年度の営業利益額が405億円だったみずほ証券にとって、今回
の損失は極めて大きな数字といえます。
今回みずほ証券が被った損失について、東証のシステムの不具合が
要因として指摘されています。
東証のシステムに、発注取り消し部分のプログラムミスがあったと
いうもの。
極めて重要な部分に、大きなミスがあったようです。
原因究明と責任追及は、これからが本番といえます。
東証のシステムを開発した富士通を含め、400億円という損失の負担
を巡って、難しい交渉が続くことになりそうです。
ちなみに、今回の事件で、一躍有名になったジェイコム株は、本日
取引が再開されました。
今朝の段階では、92万2000円で買い気配のまま値が付いていません。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=2462.t&d=c&k=c3&z=m&h=on
完全に外的な要因で乱高下してしまった同社株価ですが、今後、
どのような展開になるのか、全く予想ができません。
いずれにしても、今回の騒動の行方は、同社の株価推移を含め、
しばらくの間、マスコミで報道されていくことになるでしょう。
《関連Webサイト》 UBS
Japan
http://www.ibb.ubs.com/ubsjapan/jp_index.html