「一太郎」の製造・販売禁止
ジャストシステム
東京地裁、「松下の特許を侵害」
~日経新聞 2005/02/02 1 面から
松下電器産業が特許権侵害を理由に、ジャストシステム(徳島市)のワープロ
ソフト「一太郎」などの製造差し止めなどを求めた訴訟で、東京地裁(高部
真規子裁判長)は一日、特許侵害を認め、ソフトの製造・販売差し止めと
在庫の廃棄を命じた。ジャスト側は控訴する方針。判決は仮執行を認めて
おらず、判決確定まで効力は生じない。同社は今後も製造・販売を継続
する。判決が確定しても利用者は使用し続けられる。
●● 一太郎を販売するジャストシステム社にとっては、驚愕の判決だと
いえるのではないでしょうか。
同社売上の50%を占める看板商品の製造・販売を禁止するという
趣旨の判決です。
この判決が執行されれば、ある日突然、売上が50%減少する可能性
があるということになります。
営業を存続していくことは不可能だと考えるのが妥当です。
判決の確定まで、執行は認められていないため、同社は今後も製造・
販売を続けられますが、大きなリスクを抱えたまま、今後、経営を
進めていくことになります。
この判決の報道を受けて、ジャストシステム社の株には売りが殺到
しています。
前場が終わった時点で、全く値がついていません。
http://qrl.jp/?172563
本日は売りが殺到し、売り気配のまま取引を終える可能性さえあり
そうです。
ヤフーファイナンスの、銘柄掲示板への書き込みランキングにも、
同社が5位で顔を出しています。
http://messages.yahoo.co.jp/ranking/stocks/postranking_daily.html
数日間は、同社株式に関して混乱が続きそうです。
今回、問題となった著作権は、パソコン用ソフトウェアの操作時に、
ヘルプボタンをクリックすると、マウスにヘルプマークが付き、
そのまま他のツールボタンをクリックすると、そのツールの使い方
などが表示されるというもの。
これは、マイクロソフト社のほとんどの製品でも、標準的に使われて
いる機能です。
また、この機能は特別に必要な機能ということでもないため、敗訴
した場合でも、この機能を削除すれば、製造・販売を継続していく
ことは可能であると考えられます。
ただ、今回この判決の報道は、社会的に大きなインパクトを与えたこと
も事実です。
ジャストシステムは、来週2/10に一太郎の新製品である「一太郎2005」
の発売を控えているという大事な時期です。
Wordからの乗換えユーザー向けに安いキャンペーン版を用意するなど、
一太郎販売のてこ入れを目指しているようです。
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B0006YYLIC
この報道が、新製品の発売にどのような影響を与えることになるの
でしょうか。
≪関連Webサイト≫ ジャストシステム
http://www.justsystem.co.jp/