NHK受信料、不払い11万件

NHK受信料、不払い11万件

   11月末、不祥事のツケ重く

      ~日経新聞 2004/12/03 社会 面から

NHKの海老沢勝二会長は2日の定例会見で、元プロデューサーによる制作費
の不正流用など一連の不祥事を理由にした受信料の支払い拒否や保留の件数が
11月末までに約11万3000件に達したと発表した。この件での受信料未収世帯
は契約者全体の約0.3%にあたり、未収金額は約10億円に上るという。

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日本マスコミ「臆病」の構造

●● この11万件という数字は、「一連の不祥事を理由にした」支払い拒否
   の件数だけ。

   不祥事が発覚した7月下旬から増加を続け、未収金額は10億円に達した
   ということです。

   「エビジョンイル」とも呼ばれている海老沢勝二NHK会長は、1997年
   からすでに7年間にわたりNHKトップの座に君臨しています。

   NHK会長職の任期は3年間。
   海老沢氏は、NHK会長に2度再任され現在に至ります。
   現在、海老沢会長の任期は、2006年7月までとなっています。

   先月、NHKの職員で構成する日本放送労働組合が、海老沢勝二会長の
   辞任要求を決議しました。
   決議は、賛成多数ではなく、満場一致。
   辞任要求の強さが分ります。

   しかし、組合の要求に対し、海老沢会長は

    「今果たすべき経営責任は公共放送の役割と使命を全うし、
     国民の信頼を取り戻すこと。極めて厳しい事態を一刻も早く
     打開するため、先頭に立って職責を果たしていく決意」

   とのコメントを発表して、辞任を拒否した形になっています。

   組合側は辞任要求を継続。
   両者は平行線を辿る状態です。

   また、労組の要求に先立って、受信料の契約や集金を担うNHK
   地域スタッフでつくる全日本放送受信料労働組合が海老沢会長の
   辞任要求を提出いたしましたが、NHK側は「全受労は個人事業主の
   集まりであり、労組とはみていない」として要求書の受取りを
   拒否しています。

   渦中の海老沢会長は、日経ビジネスの名コーナー「敗軍の将、兵を語る」
   10/25号に登場しました。
   しかも、通常3ページ程度であるコーナーに、異例の5ページに
   渡って海老沢会長の話が掲載されました。
   読まれた方も多いかと思いますが、そのほとんどが責任逃れの
   ための弁明に終始しています。
   一部抜粋します。

    『どんな組織でもあることじゃないですか。
     それが表に出るか出ないかの問題であってね。』

    『僕ぐらい民主主義者はいませんよ』

    『辞任要求もありましたが、それは一部の人だと思いますよ』

   景気が下降し、情報公開が進んだおかげで、昨今、様々な方面から
   数々の不祥事が発覚してきました。
   好景気と情報隠匿の陰に隠れていた膿が、一気に清浄化されている
   ように見受けられます。

   景気低迷で刺激を受けた日本が、全力で回復へと向かっていると
   いうのが現状でしょうか。

【関連Webサイト】 NHKオンライン 会長会見