人民元、対ドルで2%切り上げ
通貨バスケット制導入
~日経新聞 2005/07/22 1 面から
中国人民銀行(中央銀行)は21日、これまで米ドルとの間で固定していた
中国の通貨、人民元の為替レートを対ドルで2%切り上げると発表した。
同日午後7時(日本時間午後8時)から実施した。同時に固定相場制を改め、
22日からは上下0.3%の範囲内で変動させる。変動に際しては日本円など
他の通貨の動向も参考にする方針で事実上「通貨バスケット制」を導入する。
●● 8月にも実施されると予想されていた人民元の切り上げですが、
その日は唐突に訪れました。
昨日、日本時間午後8時、突然発表された人民元の切り上げは、
発表と同時に実施されました。
昨晩は、このニュースが気になり、今朝、急ぎ足で会社に出社された
方も多いのではないでしょうか。
この切り上げを受け、世界市場が一斉に反応しています。
切り上げ発表直後、急速にドルが売られ、円が買われました。
本日の午前10時現在、1ドルは110.8円と、前日比3円高という水準で
推移しています。
1週間前の7/15、日本経済新聞夕刊には、「Xデー近い」という観測の
記事が掲載されていました。
これは、スノー米財務長官の発言から、人民元切り上げの時期に
ついて、米中での合意があったのではないかという観測からの記事
でした。
どうやらこの観測は、ほぼあたっていたようです。
こちらの記事のような事前の情報と、今回の切り上げ幅が、当初予測
されていた3~5%といった幅ではなく、2%という小幅な数字であった
こともあり、現時点では、世界市場にそれほどの混乱はないようです。
ただ、日本株の場合、やはり仕入れコスト上昇という影響を受ける
可能性が高い松下電器産業や東芝など、中国に生産拠点を置くハイテク
株に売り優勢なものが多くなっています。
また、人民元の切り上げの影響によるドル安が嫌気され、トヨタや
ホンダなど輸出関連の自動車株が売られています。
今から34年前、1971年に起こったニクソンショックの衝撃から
1ドル=360円の固定為替レートから円の切り上げを実施し、2年後には
変動レートへと移行した日本円。
その後の高度成長は、世界が認めるところです。
すでに、世界市場の中枢にある中国人民元の為替操作。
今後、変動レートとなり、真の国際通貨として流通するようになる
まで、世界的な協調が欠かせないといえるでしょう。
《関連Webサイト》 雅虎中国(中国のYahoo!)
http://cn.yahoo.com/