グーグル次の10年へ(中)革新生む「人財主義」
社員2万人大企業病の影も。
~日経新聞 2008/09/05 9 面から
過去10年、常にIT(情報技術)の先端を走ってきた米グーグル。その裏
には技術革新を生み続ける仕組みがある。
米カリフォルニア州の本社はまるで大学キャンパスだ。芝生の庭には原寸大
の恐竜骨格標本。その足元で会社が無料提供するランチを社員が楽しむ。
屋内ではビリヤードに興じる社員のすぐ横を書類を抱えた社員が会議に急ぐ。
●● 現時点で、世界最強の企業はどこかと問われたら、私は米Googleと
答えます。
米Googleの2007年12月期の上高は166億ドル(およそ1.8兆円)
純利益は42億ドル(4500億円)。
売上げの規模で比較すると、日本の電通と同程度の売上げです。
ただ、電通の場合、純利益は360億円程度。
Googleと比較すると、1/10以下の水準といえます。
ただ、規模のみで言えば、売上高26兆円、純利益1.7兆円のトヨタ
自動車には遙か敵いません。
しかし、それでも、現時点で世界最強の企業は米Googleだと
思います。
社会にITが浸透し、ものが溢れるようになった今、企業にとって、
今後最も重要な要素は、『想像力』だと考えています。
どれだけ大きくて楽しい想像ができるか。
これが今後の企業に最も重要な要素だと思います。
そして、その想像力の源泉は人財。
この世界で唯一想像力を持っている人間です。
そして今、最も想像力のある人財が集まる企業が米Google。
これが、米Googleを世界最強の企業と考える根拠です。
先日、Googleは、独自のブラウザを開発し、公開いたしました。
名称は、「Google
Chrome」。
ネーミングがイマイチだと思うのですが、使ってみてその速度と
簡潔な操作性に魅了される方が増えているようです。
http://www.google.com/chrome/
WEB分析会社の調査によれば、この「Google
Chrome」は、公開から
たった1日で、世界シェアの1%を獲得してしまったようです。
この「Google
Chrome」の最大の特徴は、多機能アドレスバーにある
と思います。
通常はURLのみを入力できるアドレスバーですが、Google
Chromeの
場合、このアドレスバーであらゆる検索ができます。
キーワード検索はもちろん、履歴の閲覧や検索候補の表示など。
一つの窓への入力で、ほぼすべての操作ができるようになっています。
また、表示速度も画期的。
最もシェアの高いIEには戻りたくなくなるような圧倒的な差があり、
表示に時間がかかっていたのは、ブラウザの性能によるものであると
いう事を初めて認識できると思います。
このブラウザを開発したエンジニアの言葉を紹介します。
「自動車よりもブラウザを使う時間が多い」
「車は試乗してから買うが、ブラウザでは同じことがされていない」
実際、ブラウザに選択肢がある事を知らない人も多く、Windowsに
付属のIEが圧倒的なシェアを誇っています。
ただ、記事によれば米Googleも社員が2万人に達し、官僚的な管理職が
増え、想像力が欠如する大企業病にかかりかけていると指摘されて
います。
大企業病からの革新に成功した企業は、かつて無いという事です。
ぜひ、米Googleにその方法を見いだしていただきたいと思っています。
《関連Webサイト》Google
http://www.google.co.jp/