ロングテール ネットがニッチ商品動かす


ロングテール ネットがニッチ商品動かす

   

      ~日経新聞 2006/06/23 11 面から



「イヤスコープ」という一万三千六百五十円する耳かきがインターネット
通販で売れている。内視鏡で耳の穴をのぞきながら耳掃除できるところが
売り物だ。累計販売台数はこの五年で約十四万台に達した。
都市部の専門店でも販売しているが、最近は七割がネットなどを通じた注文。
製造する機械メーカー、コデン(東京都北区)によると、「沖縄など全国
から注文がある」という。


ウェブ進化論
本当の大変化はこれから始まる
https://www.iw-jp.com/am.php?id=4480062858


●● 遂に日経本誌に「ロングテール」という言葉が登場してきました。

   これまで、書評などでは使われていましたが、記事内にこの言葉
   が使われたのは初めてのようです。


   この「ロングテール」というキーワードは、ウェブマーケティング
   の世界ではすでに一般的な言葉になっています。
   ただ、この言葉が使われ出したのは、2004年頃。
   まだ、使われ始めて2年程度の新しいキーワードといえます。


   最初にこの言葉が使われるようになった現象は、オンラインショップ
   のアマゾンの販売傾向にあります。

   アマゾンは、オンラインショップであるがゆえに、陳列の必要が
   なく、一般的な書籍店では販売されないような書籍でも、データを
   入力するだけで販売することが可能になります。

   一般的な店舗型の書籍店では、陳列できる商品数は多くても数万点
   です。
   一方、アマゾンのようなオンラインショップでは、数百万点の商品を
   販売できます。
   単純に、データを掲載すればよいわけです。

   その結果、これまでのマーケティングの常識を裏返すような結果が
   発生しました。


   これまで、マーケティングの常識として最も重要視されてきた法則が
   パレートの法則です。
   「売上高の80%は全体の20%の商品が生みだす」
   「上位20%の顧客の購入額が全体の80%を占める」
   といったものです。

   しかし、オンラインショップのアマゾンの販売傾向では、売れ筋以外
   の商品の売り上げが、売れ筋の商品の売り上げを大きく上回って
   しまったのです。


   この現象が、「ロングテール」と呼ばれる現象です。

   売れ筋の商品と比較して、売れ筋でない商品は圧倒的多数です。
   この圧倒的多数商品がそれぞれ少しずつ売れることが、しっぽの長い
   グラフになることから「ロングテール」と呼ばれています。


   このロングテールを最もうまく利用したのがグーグルだといわれて
   います。

   現在のグーグルの売り上げ構成を見ると、グーグルは極めて巨大な
   広告代理店だといえます。

   そして、最も売上を上げているクリック連動型課金の広告は、最低
   出稿費用が1円から。
   また、初期費用は500円。
   どのような零細企業でも、個人でさえも、出稿できる金額です。

   このようなシステムで、圧倒的多数の中小企業の広告費を取り込んで、
   爆発的に成長しているのがグーグルといえます。


   現状、ニッチな商品でもネットで売れます。
   逆に、ニッチな商品の方が競合が少なく売れやすいほどです。

   インターネットの世界は、ある意味、恐ろしいほど平等です。


《関連書籍》 80対20の法則を覆す
ロングテールの法則

https://www.iw-jp.com/am.php?id=4492555501