ネットと文明 こだわり発信、先鋭化の影
~日経新聞 2005/08/26 1 面から
長崎市の大学生、山口奈津江(21)の就職希望先は葬儀社だ。アルバイト先
の火葬場での出来事を日記風に記した簡易ホームページ「ブログ」は四月の
開設以来好評。六月には大学生部門で人気一位になった。
看護師を経てグループホームを経営する母親にひかれ、最期を送る職業を
めざす。「いずれは起業」との思いが顧客を見る目を研ぎ澄ます。「子供を
亡くした親を見ていて胸が詰まった」。“癒やし系”ブログが読者の心を
打つ。出版も決定、インターネットでごく普通の大学生が脚光を浴びる。
●● インターネットの進展により、世界が変化しつつあります。
昨日、自民党主催の、「メルマガ・ブログ作者と党幹部との懇親会」
なるものに参加してきました。
これは、日本中のメルマガ・ブログ作者の中から、自民党のスタッフ
が有力な人をピックアップして招待したというもの。
自民党など、政治家の方々も、ネットの力に着目しつつあるといえ
ます。
開催地は、自民党本部。
参加された方は、およそ40名。
有名なIT起業家の方や、メディア名を聞いたことがある著名な方が
多くいらっしゃいました。
自民党初の試みということで、メディアのカメラも多数並んで
いました。
当メルマガ発行人である私自身、これまで自民党などの特定の政党
などとはまったく関係がなく、特にこれといって政治にかかわって
きたことはないのですが、このメールマガジンがスタッフの方の
目に留まったようです。
会では、武部幹事長からの簡単な挨拶の後、質疑応答となりました。
私は、常々危惧している少子化問題について、より力を注いでほしい
旨、申し上げました。
これまで、政治家とはまったく面識がなかった人間の意見が、政権
与党の幹部に直接伝えることができる。
インターネットがなければ、このようなことはありえなかった
でしょう。
これこそが、インターネットによる革命だと思います。
堀江社長の出馬や、三木谷社長のプロ野球参入など、現役世代で
ある30代の世代の人間の意見が、政治・経済に反映される。
これらもすべて、インターネットがなければ実現できなかったこと
だといえます。
インターネットによって、広い世代の多くの人の意見が、平等に
政治・経済に反映される。
そんな世界になったら近づいているのかも知れません。
インターネットの発展によって、もうひとつ大きく変わることが
あります。
それは、各種情報が、発信者から受信者に直接伝わるようになる
ことです。
これまで、ニュースなどの情報は、テレビなどのマスコミが伝えて
きました。
この場合、どうしても、マスコミの解釈というフィルタがかかります。
客観的に伝えているようでも、見出しに使う文字や伝え方などにより、
読者の印象は大きく変わってしまいます。
NHKの不祥事や、フジテレビの買収問題などの各局の取り扱い方の
差異を見ているとよくわかりますが、間違いなく、マスコミの解釈や
マスコミ側の都合は存在します。
客観的な事実のみの情報が、直接国民に届いていない場合があります。
しかし、ネットを使って、発信者が各種情報を直接国民に伝えること
ができるようになれば、マスコミによるフィルタはなくなります。
今回の質疑応答で、武部幹事長が話されていましたが、今回の自民党
議員の造反は、郵政法案に対する造反ではなく、明らかに小泉体制に
対する造反だったということです。
造反議員が法案に反対した理由を述べるときの歯切れの悪さを見ると、
この話はおそらく実態に近いものだと考えられます。
こうした話は、当事者しか話せない内容ですが、極めて重要な内容
といえます。
このような情報を、当事者が直接発信し、国民が直接受信できるように
なると、いろいろな面で変化が起こるでしょう。
各造反議員への対立候補の擁立など、自民党の強硬な姿勢にも、
別の側面が見えてきます。
こうした情報が伝わらないのは、もったいないことだといえますが、
現在の報道手段では、越えることが難しい壁といえるでしょう。
ネットが持つ本来の力は、まだまだこれから発揮されていきます。
《関連Webサイト》 火葬場より。女子大生のしみじみノート
http://blog.livedoor.jp/natsuemon1/