ワールドシリーズ―Rソックス3年ぶりV


ワールドシリーズ―Rソックス3年ぶりV

   

      ~日経新聞 2007/10/30 41 面から



無敗で、3年ぶりにワールドシリーズを制したレッドソックスの松坂が、
シャンパンまみれで漏らした言葉に含蓄があった。「1年通してみんなが
常に同じ状態で試合に臨んでいる、という感じがします」。真のプロ選手
であるがゆえ、という意味だろう。


●● 松坂選手は、移籍1年目にしてワールドチャンピオンに輝きました。

   むしろ、松坂選手がレッドソックスをワールドチャンピオンに導いた
   と言っても決して過言ではない活躍ぶりでした。

   レッドソックスが松坂選手に投資した1億ドルは、見事に最大の成果を
   あげたといえそうです。


   松坂選手は、高校時代は甲子園で優勝、しかも春夏連覇しました。

   また、甲子園の決勝戦でノーヒットノーランを達成するなどの活躍で、
   高校時代にはすでに「平成の怪物」と呼ばれていました。

   プロ入り後は、西武ライオンズでも日本一にもなっています。

   そのほかにも、オリンピックで銅メダルを獲得。
   また、ワールド・ベースボール・クラシックでは世界一になりMVPにも
   選ばれています。


   そして、今回はレッドソックスでワールドチャンピオンになりました。
   オリンピックの銅メダル以外は、すべての舞台でトップに立ったという
   ことになります。


   今季は、リーグ戦で15勝、ポストシーズンで2勝。

   しかも、ワールドシリーズで安打を放ち、2打点を上げています。

   全敗で敗れたロッキーズのクリント・ハードルロッキーズ監督も、
   記者会見で「松坂のタイムリーが痛かった」と語っています。

   移籍1年目から、古豪チームで獅子奮迅の活躍をしたといえる
   でしょう。



   松坂選手は、メジャーへの移籍会見で記者に夢が叶った感想を
   聞かれて次のように答えました。

    「僕はもともと、夢という言葉が好きではないです。
    見ることはできても、かなわないものが夢だと思っていますので。
    僕はここで投げられることをずっと信じてやってきたので、今、
    ここにいるのだと思います」



   松坂にとって、メジャーのマウンドに立つことは夢ではなく目標
   だったのです。
   叶ったのではなく自ら叶えたのです。


   また、松坂選手が小学校の卒業式で、全校生徒の前で「100億円
   プレーヤーになる」と言ったのは有名ですが、これも夢ではなく
   目標だったようです。
   当時はまだ、清原が1億円プレーヤーになって騒がれていた頃です。

   多くの人がその言葉を信じなかったと思いますが、松坂選手は
   それを実現してしまいました。



   松坂選手はまだ27歳。

   今後どのような活躍をしてくれるのでしょうか。

   世界の怪物と評されるときも近いのかもしれません。



《関連書籍》夢を見ない男 松坂大輔
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