冥王星“降格”、惑星8個に
議論二転三転、76年ぶり変更
~日経新聞 2006/08/25 1 面から
チェコのプラハで開催中の国際天文学連合総会は24日、太陽系の「惑星」の
数を8個とする定義案を賛成多数で採択した。議論の的になった冥王星は
水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星と明確に
区別し、他の惑星より小さいことから「矮(わい)惑星」という別の名称で
呼ぶことにした。
ホルスト:組曲「惑星」op.32[冥王星付]
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B00024Z61M
●● ここ1ヶ月ほど話題になっていた太陽系の惑星の数に関する定義です
が、遂に決着しました。
永年、惑星ではないとの意見が多かった冥王星が惑星からはずされ、
太陽系の惑星は8つになりました。
今回、国際天文学連合総会にて決定された惑星の新しい定義は下記に
なります。
1.太陽の周囲の軌道を公転
2.自身の重力により球状を形成
3.自身の軌道近くにほかの天体(衛星を除く)がない
一方、新たに設置された「矮惑星」の定義は下記となりました。
1.太陽の周囲の軌道を公転
2.自身の重力により球状を形成
3.自身の軌道近くにほかの天体が残っている
4.衛星ではない
このように、惑星と矮惑星は「自身の軌道近くのほかの天体の有無」
によって分けられることになりました。
これは、簡単に言えば、自身の軌道を独占的に使用しているかどうか
です。
似たような軌道を持つ星があった場合、それは惑星とはみなさない
ということになります。
冥王星が太陽系の9番目の惑星と定義されたのは、1930年のことです。
海王星が発見されたのが、1846年のことですので、100年近くの時を
経て発見された、太陽系最後の惑星でした。
発見したのは、米国の天文学者であるクライド・トンボー氏。
冥王星は、米国の学者が発見した唯一の惑星でもありました。
そのため、米国の学者の中には、冥王星を惑星からはずす案に最後
まで反対していた人が多かったようです。
その冥王星が惑星から降格。
トンボー氏は、1997年にこの世を去りました。
没後9年でのこのような大きな変更は、全く予測していなかったの
ではないでしょうか。
《関連Webサイト》 国際天文学連合 http://www.iau.org/