ネット銀「三国志」(フィナンシャル越境バトル)
~日経新聞 2005/02/15 7 面から
ネット銀行、ネット証券、電子マネー……。銀行や証券の垣根を越えた
金融サービス競争は、IT(情報技術)を巡って激しさを増している。
ネット企業の「勝ち組」と話題のソフトバンクグループのヤフー、楽天、
ライブドア。プロ野球参入を巡って火花を散らした三社が土俵を「ネット
銀行」に移した。“次世代の銀行”を目指す「三国志」の始まりなのか。
●● 戦前の日本には、三大財閥と呼ばれる財閥グループが存在しました。
三井財閥、住友財閥、三菱財閥、です。
戦前の財閥の特徴は、下記の点です。
1.同族支配
2.持株会社
3.多角経営
戦後、財閥解体によってこれらの財閥は無力化され、持株会社
制度は、事業支配力が過度に集中する恐れがあるとして独占禁止法
により禁止されました。
しかし、1997年6月、グローバリゼーションの進展に伴い、日本の
企業の競争力強化を主眼に独占禁止法が改正され、持ち株会社
制度が解禁されました。
持株制度解禁から8年。
IT業界では、戦前の三大財閥に並ぶような三大企業が台頭してきて
います。
そして、かつての三大財閥が、銀行を中心に構成されていたように、
現代の三大IT企業も、金融機関をその配下に置くことに躍起になって
います。
戦前の財閥の特徴である、持株会社と多角経営の2点は、そのまま
現代の三大IT企業にもあてはまります。
同族支配はみられませんが、いずれの企業も、創業社長の強力な
リーダーシップの元に、各分野の専門家が参集し、プロ野球球団の
経営といったような分野まで多角経営を進めています。
そして、いずれの企業も、その強力な企業買収力の源泉は、バブル
崩壊前に上場して得た巨額の上場益です。
日経紙では、この三大企業を三国志に例えています。
育ちの良さからみて、楽天・三木谷社長が劉備といえそうです。
そして、その人材と資金源の豊富さから、ヤフー・井上社長が
曹操。
そして、雰囲気的にライブドア・堀江社長が孫権といったところ
でしょうか。
史実の三国志では、曹操が三国を統一します。
はたして、現代日本のIT企業三国志は、どのような展開をみせて
くれるのでしょうか。
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