「背水」UFJ 究極の選択
三菱東京と統合、週内発表
~日経新聞 2004/07/15 1 面から
UFJグループは14日、三菱東京フィナンシャル・グループに経営統合を
正式に申し入れた。同日夕方に双方のトップが会談し、三菱東京も基本的
に応じる意向を示した。両グループは統合計画を詰めたうえで、週内に
基本合意を発表。総資産で世界最大の総合金融グループが誕生する。
あしたの経済学―改革は必ず日本を再生させる 竹中 平蔵 (著)
●● 昨日の日経1面は、ひさびさに横全面ぶち抜きの見出しが躍る、
大スクープ記事になりました。
日本中で、「今朝の日経で・・・・」という会話が一日中飛び
交っていたことと思います。
先週、米大手新聞のひとつである「ニューヨーク・ポスト」紙が
民主党の副大統領候補はゲッパート氏との記事を1面トップで
報じました。
しかし、新聞が売店に並んだ約1時間後、エドワーズ上院議員が
副大統領候補に決定したと公表され、伝統あるニューヨークポスト
紙は、「歴史的な誤報」を報じてしまったことが判明します。
同日付の新聞は、インターネットオークションで「歴史的誤報紙」
として売りに出され、定価の25セントが10ドル以上で落札される
いった現象まで引き起こしました。
また、翌日の「ニューヨークポスト」では、極めて異例ともいえる
編集長のお詫び文が掲載されました。
昨日の、日経の1面に掲載されたこの記事も、相当なインパクトの
ある扱いでした。
しかも、同日の朝刊でこの記事を扱っていた新聞は見かけなかった
と思います。
両銀行に働く行員でさえも、この記事で初めて統合の可能性を
知ったという方が多いようです。
しかし、こちらは紛れもない事実であるようです。
UFJ銀行は、住友信託銀行へのUFJ信託銀行売却を白紙撤回
し、訴訟の危険性を認識しながらも、三菱東京との統合にかけて
います。
また、統合方針の急転直下な変化も、UFJの大きな危機感を感じ
させます。
時期的に見て、参議院選での、竹中金融大臣の人気ぶりが、今回の
UFJの決断に大きな影響を与えたことも間違いないでしょう。
しかし、UFJには朗報でも、強固な財政体質を固めつつあった
三菱東京にとっては、今回の統合は救済の意味合いの強いもの
です。
三菱東京の顧客にとっては、不安の種となりえます。
世界一の総資産を抱えるメガバンクの誕生となるだけに、産みの
苦しみも大きなものとなりそうです。
《関連Webサイト》 UFJ銀行